ペットライフ -3-



「いた・・・、きもち、わる・・・」
「我慢しなさい」
「・・・ふえ・・・」
カリファの厳しさが、いっそ清々しい。
縮こまり萎えてしまった前を口で愛撫しつつ、指を進めていく。
その内、無理なく何本も入るようになって来た。
「そうそう、その調子よ。サンジ、もう指が2本も入っているわ」
「・・・そ、んな・・・」
「ふふ、3本になったわ。どう?」
「あ、い・・・いたい、ですや・・・くるし・・・」
「もっと、もっと広げてあげなさい」
「・・・むり、む・・・りい」
指の角度を変えて、くりっと中を擦ってやると内壁がぎゅっと締まった。
「ひぎっ・・・」
「あら」
「ここか?」
指の先でこりこりと擦ってやると、サンジの太股が激しく震えた。
「ひやっ・・・や、そこやあっ」
膝裏を押さえていた手が、ゾロの腕を掴んで押し退けようとする。
すかさずカリファの手が伸びて、首から下がる鎖を片手でぐいっと持ち上げた。
吊られる形になって、サンジの手が咄嗟に鎖を掴んだ。
首を絞められ、顔がさらに赤く染まる。
「じっとしてらっしゃいって、言ったわよね」
「・・・は、はひ・・・」
コクコクと頷くのも苦しそうだ。
気の毒に、と同情しつつもゾロの手は休まない。
新たにジェルを塗りつけぐいぐいと押し広げ、内側から腹の裏辺りを撫でた。
「ひ、ひぐっ・・・」
自分の太股に爪を食い込ませながら、サンジは歯を食いしばって堪えていた。
大きく開いた足を閉じることもできず、カリファに引き上げられた首輪で喉を詰まらせて目尻からはポロポロと涙が零れている。
「苦しそうですよ」
見かねて、ゾロはサンジの腰を抱くと自分の膝の上に抱えた。
引き上げられていた鎖が緩んで、軽く咳き込んでいる。
「優しいのね、ロロノア君」
「別に」
素っ気無く答えながら、サンジを肩に抱くようにして片足を上げさせ再び後孔を解す作業に専念した。
先ほどよりも確かに、柔らかく滑らかになってきている。
「ふ・・・ふっ・・・」
なにやら腕の辺りがひやりとする。
首を巡らせば、サンジはゾロのシャツを口に含んで声を殺していた。
唾液が染み込んで濡れている。
目をぎゅっと瞑って頬を赤く染め、口元を膨らませている様はなんとも拙くいじらしい。
「気持ちいい?サンジ」
カリファの指が、優しくサンジの前髪を梳いた。
促されるように、涙に濡れた瞳が開く。
「ふ・・・ひもひふ、ふんふ・・・」
「まあ、気持ちいいの」
「んん―――」
違うと首を振るのに、ゾロのシャツもぐいぐいと引っ張られた。
言葉とは裏腹に、ゾロの指の動きは随分とスムーズになって来ていた。
前も再び頭を擡げて来ているし、少なくとも苦痛だけを感じているようではなさそうだ。
「気持ちいいんでしょう?素直におっしゃい」
「・・・ふ、う―――」
カリファのしなやかな指が、そっとゾロのシャツを引っ張った。
濡れて色を変えた布地が、サンジの口の中から引き出される。
「さあ、おっしゃい」
「・・・き、きもちい、です」
「どこが?」
カリファに尋ねられるたびに、ゾロの指がヒクヒクと締め付けられる。
サンジはゾロに縋り付くようにして、怯えた目でカリファを見ていた。
唇が戦慄き、うまく声にならない。
「言いなさい、どこが気持ちいいの?」
「―――お・・・」
きゅうっとゾロの指を締め付けた。
それに答えるように動きを大きくしてやると、サンジはシャツを掴んで顔を押し付け声を殺す。
「ダメよ」
カリファが鎖を引っ張る。
首が絞まる前に自ら顔を上げ、上気した頬をゾロの腕に擦り付けた。
「ひや、きもちい・・・い」
「どこが?」
「お、お・・・し、りと」
「お尻と?」
「・・・お、ち・・・」
きゅうっとゾロに握られて、大きく跳ねた。
「はや・・・やっぱ、いた」
「どこが?」
「お・・・ん、はいたい・・・です、でも・・・でも」
「気持ちいいの?」
「・・・は、い」

大きく開かされた股の間に顔を近づけて、カリファがじっくりと見つめている。
眼鏡のレンズが灯りを反射して、白く光った。
「こんなところを指で弄られて感じるだなんて。なんていやらしい子」
「・・・ごめん、なさい。ごめ・・・」
「太い指でいっぱい、中までぐちゃぐちゃ」
「な、さ・・・」
「こんな奥にまで飲み込んで、指を入れられるのがそんなに気持ちいいの?」
「・・・ひっく、う―――」
羞恥と屈辱に震えながらも、ゾロの手の中で屹立したものはダラダラと露を零し、その指をしとどに濡らしていた。
「もっといいものを、入れてもらいなさい」
カリファの言葉を合図にしたように、ゾロが一旦手を離して自分の前を寛げ始めた。
すっかりヤル気の息子に、ポケットから取り出したゴムを装着する。
「紳士なのね」
無言で頷き返し、放心状態のサンジをころんとひっくり返す。
尻だけ抱え上げると、急に我に返ったように手足をバタつかせた。
「ま、まて・・・やっぱっ」
腕を後ろに回してゾロの腕を掴むのに、すかさずカリファの鞭が飛んだ。
「つうっ」
「サンジ?」
にっこりと、顔は笑んでいるのに激しく打たれたサンジの手の甲が赤く腫れている。
「・・・かりふぁ、さ・・・ん」
「いけない子、大人しくしてらっしゃいとあれほど・・・」
カリファの声を遮るように、ゾロが割って入った。
サンジの手を取り、赤くなった甲を持ち上げる。
「美味い飯、作ってくれた手だ」
そう言って、愛しげに唇を付けた。
舌で舐めれば、擦り切れた傷に沁みる。
けれどそれ以上に、ゾロの言葉がサンジの胸に沁みたのか、大人しく手を預けて耳まで朱に染めていた。
「・・・ばからしい」
口調こそ乱暴だが、カリファがそんなサンジを見つめる瞳は優しげだった。



再びサンジをうつ伏せにしてまた腰を上げさせても、もう抵抗はしなかった。
ただ羞恥には耐えられないのか、膝頭をあわせてモジモジしている。
そうしながら、尻頬に付いた鞭の痕もゾロに舐められ、うっとりと目を閉じて背を撓らせた。
「・・・う」
くちゅりと、音を立てながら後孔に再び指を入れる。
中を探り押し開くようにして肉壁を引き上げられ、サンジは耐え切れず枕に顔を突っ伏した。
「いやらしい、まるで誘うみたいにヒク付いているわ」
「指に吸い付くみてえだ」
カリファとゾロにそれぞれ感想を呟かれ、もはや顔など上げられない。
「・・・も、いいからっ」
半ば自棄に叫ぶサンジに応えるように、ゾロは己の中心を押し当てた。
ぐりぐりと滑りを擦り付けるように円を描き、次いで少しずつ埋め込んでいく。

「―――は・・・あっ・・・」
伏せていた枕を抱き込んで、サンジは無意識に逃げようとする身体を、膝に力を入れて踏ん張った。
「あ、は・・・あああ」
熱くて狭い内壁に押し入りながら、ゾロはかなり加減して動いた。
こんな小さな孔に最初から入るとは思っていない。
擦り付けて真似事くらいで達してしまえばいいと、軽く見ていた。
これだけでも充分刺激的で、気持ちがいい。

「サンジ、力を抜きなさい」
枕元に移動したカリファが、汗に濡れた金髪を優しく梳いている。
唾液で濡れた顎に手を掛け、顔を上げさせた。
「ほら、いいお顔を見せて」
「・・・か、りふぁ・・・さ」
「痛いの?苦しいの?」
奥歯を噛み締め、ふるふると首を振る。
眉は切なげに寄せられ、目尻からはポロポロと涙が零れ落ちた。
「中途半端は嫌よね」
暗に自分に言ってるのだと気付き、ゾロは困ってしまった。
サンジの中は狭いのになんとも伸縮が良くて、うっかりすると全て入ってしまいそうだ。
と言うか、ほんとに入れてしまっていいのだろうか。
「・・・大丈夫か?」
なにを今更、と言った風にカリファの柳眉が上がる。
「半端なことしないであげて、却ってむごいわ」
「わかった」
そこまで言うならと、それでも静かに腰を進める。
サンジが小さく悲鳴を上げて背を撓らせるのに、腰を掴んでがっつりと押し込んだ。
「・・・ひぎっ・・・いいい―――」
「堪えろ」
下から捏ねるようにしてぐぐっと押し入り、しばらく動きを止める。
馴染むのを待ってから、ゆっくりと腰を揺らし始めた。

「は―――は、あっ」
ずぶ、じゅぶと水音が立ち、段々と動きが滑らかになる。
それに連れて、血の気が引いて青褪めていたサンジの顔にも赤味が戻ってきた。
「あ・・・ふ、ふう―――」
抱えていた枕を押さえて背を逸らし、ゾロの腰の動きに合わせて自ら身体をくねらせ始める。
「そうね、いい子」
カリファの手が、蛇のようにしっとりとサンジの肌を撫でた。
濡れた指で首を辿り、鎖骨を撫でて乳首を擦る。
「ふふ、硬くなってる」
「・・・あ、や」
くりっと指で抓られ、爪で引っ掻かれた。
「や・・・いた、や―――」
「く、締まる・・・」
背後でゾロが、呻きながら腰をグラインドさせる。
「ここも、好きでしょう?」
手に鎖を巻きつけて、尖った乳首の先端を金具で擦った。

ふ、はっとサンジが呻き身体を引いた。
ゾロも呻いて、より深く内部へと己を埋め込む。
「きついだろうが!」
文句を言ったのはゾロの方だ。
カリファは楽しげに笑い、首輪を引き上げサンジの顎を掴む。
「もっともっと締めてあげましょうか」
「・・・ぐっ」
「もう、充分だ」
再び首吊りの状態になったサンジを抱え上げ、カリファの手から首輪と鎖を奪い取った。

身体を反転させて向かい合わせになり、背中を抱き上げて顔を寄せる。
サンジは熱に浮かされたような顔でゾロを見つめ、濡れた唇を自分から押し付けてきた。
深い口付けを交わしながら、お互いに身体を揺らめかし獣のように貪り合う。
カリファはベッドから降り、再び椅子に腰掛けるとゆっくりとワインを飲み始めた。





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