Oath -3-


「明日の朝には島影が見えるはず。異常がなければ、そのまま上陸しましょうか。」
海図を挟んで、ナミが指差しながら説明する。
先に届いたカモメ便の情報では、貿易の盛んな大き目の島らしい。
「久しぶりに賑やかな街っぽいな。あー、なんか楽しみだあ」
「遊べる場所はあるかしら」
「買い物したいぞ」
「ああっ、可愛いレディ達が俺を待ってるぜ~v」
盛り上がるクルーを制して、ロビンがやんわりと口を開いた。
「恐らく海軍も常駐していると思うわ。くれぐれも行動には用心よ、船長さん」
最近この手の嗜めは、ナミからロビンへと役目が変わった。
ナミが言っても効き目がないからロビンが後を引き受けたらしい。
それでも当のルフィにはてんで効果はないのだが、それはそれで仕方がない。
「船番はゾロね。目立たない場所に停泊させるから、大人しく寝てていいわよ。」
ゾロは椅子に凭れて目を閉じていたが、片目だけ開けて頷いた。
着く島がでかかろうが小さかろうが、ゾロにはたいして変わりはない。
上陸したときに美味い酒が飲めれば、それだけで満足だ。
それと女・・・だが。
ゾロは視線だけ巡らせて、サンジを探した。
見慣れた痩せた背中は、ロビンにコーヒーのお代わりを注ぎながらなにやら話しに没頭し、振り向きもしない。
暇つぶしと処理を兼ねて、ゾロは上陸する度どこか女のところに転がり込んでいたが、サンジもそうして過ごすのだろうか。
そう考えると、鉛でも飲み込んだかのように胃の辺りが重くなった。
気分が、悪い。

「クソマリモはどうせ上陸したってすることねえんだろ。ずっと船番してたらどうだ」
不意にサンジが振り向いて憎まれ口を叩いた。
それを受けて、ゾロは笑いながら頷く。
「そうだな、俺は構わないぜ」
予想外に素直に受け流されて、サンジの方が戸惑って絶句する。
「てめえ、街で美味い酒持って来いよ。そうしたら俺は大人しく船番しててやる。交替はいらねえぜ」
「あらまあ、珍しい」
「いいのかゾロ?」
次に順番が当たるチョッパーが恐る恐る首を伸ばした。
「ああ、度々刀も砥ぎに出せねえしな。ログが溜まるのはどんだけか知らねえが、俺は特に目的はねえから、お前らゆっくり羽根伸ばして来いよ」
元々、毎回の上陸にそれほど浮かれるゾロではなかったが、それでも随分と寛大な申し出に一同訝りつつも、有難く甘えることにした。
成り行き上ゾロに酒を差し入れることになったサンジは少し不満そうに口を尖らせてはいたが、基本的に異存はないようだ。

そうして予定通り、船は島に着いた。
早速に冒険へと繰り出し姿を消した船長を先頭に、それぞれ足取りも軽く街へと降りる。
しばし並んで歩きながら、ナミはサンジにそれとなく話しかけた。
「ねえ、最近ゾロ。なんだか丸くなった気がしない?」
そう聞かれて、サンジの方は内心動揺する。
なぜナミが自分にそう聞くのか。
「・・・さあねえ、そう言われればそんな気もするけど。藻類の考えることは俺にはさっぱりで・・・」
「確かに、当たりが柔らかい気がするわね。話し口調も穏やかだし」
「あ、やっぱりロビンもそう思った?」
「俺も思ったぞ。なにか考えてるのか、じっと物思いに耽ってる時間を持つようになって気もする」
チョッパーの言葉に、物思いに耽るゾロを想像してナミとウソップが同時に噴き出した。
「物思いどころか、考える頭もマリモにはねえよ。ありゃあ、目開けて寝てるだけだ」
サンジの言葉にまたどっと笑って、仲間達は手を振りながら賑やかな街に散って行った。

ゾロが穏やかに、ねえ―――
一人市場をうろつきながら、サンジはなんとはなしに、先ほどのナミたちの会話を思い出していた。
物思いに耽るってえ・・・まさかな。
俺のせいじゃあ、ねえだろうな。
だが切っ掛けはそれしか考えられない、ような気がする。
水生植物の分際で、後悔でもしているのだろうか。
成り行きとは言え野郎に、しかも仲間に手を出したことを悔いているのだろうか。
それとも、俺に腹立ててるかどっちかだな。

あれから表面上、ゾロのサンジに対する態度に変化はない。
あまりに変わらなくて却って不気味なくらいだ。
ゾロなりに、あれをなかったことにしたいのかもしれない。
―――それならそれで、構わないけどよ
そのことをほんの少し寂しく思い、そんな自分に舌打ちしながら、サンジはとりあえず酒屋に入った。
せめてゾロにいい酒を届けて、軽いつまみくらい作って行ってやろう。
それくらいは、奴も厭わないだろうし。


海に沈む夕陽が、空全体を見事なグラデーションで染め上げている。
何度目にしても飽きることのない美しい風景を見上げながら、サンジは我が家であるGM号に戻ってきた。
ゾロは甲板で錘を振り回し、鍛錬の真っ最中だった。
「お疲れさん。差し入れ持って来たぜ」
「おう」
いつもと同じ、いやいつもよりやけに気安く返事を返して、ゾロが振り返った。
汗が滴り、薄いシャツが身体に張り付いて見事な筋肉の線を浮き上がらせている。
サンジはなぜだかどきりとして、視線を外して乱暴に歩み寄った。
「ったく、汗まみれで臭そうだな。ちゃんとシャワー浴びてからラウンジに入って来いよ」
「ああ、そうする」
やはり反論一つしないで素直に従うゾロの穏やかさが、サンジには奇異に映った。
だが、だからといって言いがかりをつける訳にも行かず、そのまま大人しくキッチンに向かう。
実害はないのだから、自分が気にしなければいいだけの話だ。
それにこれは、いい傾向なのかもしれない。ゾロと自分がいがみ合うだけじゃない、友人という関係を築ける機会なのかもしれない。
サンジはそう解釈して、食事の支度に取り掛かった。

「でよー、酒屋の親父が言うには、この取り合わせが一番相性がいいとかなんとかで・・・」
ゾロの分だけ作って食べさせるつもりが、結局サンジも食卓に着いてゾロと一緒に酒を酌み交わしていた。
確かに、今から一人で街に帰って食事をするもの味気ない。
だがゾロのために買って帰った酒だから、サンジには少々きつくて勧められるままに杯を開けるのは躊躇った。
「なんだ、俺の酒が飲めねえってのか」
ゾロの物言いがおかしくて、げらげら笑った。
ああこう言う雰囲気は、すごくいいなあと思う。
「もう駄目だっての、これ以上飲むと酔っ払う」
「酔えばいいじゃねえか」
「アホか、酔ったら街に帰れねえ」
「帰らなきゃいい」
ゾロの声のトーンが変わったので、サンジは顔を上げた。
思っていた以上に、ゾロは真剣な眼差しでこちらを見ている。
「船に泊まれ。街に帰ったってすることはねえだろう」
ふと、このまま泊り込んでしまいたいと思ってしまった。
けれどそれではいけないと、改めて思い直す。
そんな風に、ゾロと馴れ合うつもりはない。
「冗談じゃねえや。折角陸に上がってて、なんでてめえみてえなむさ苦しい野郎と過ごさなきゃなんねえの」
わざと軽い笑い声を立てて、グラスに残った酒を飲み干した。
「街には可愛いレディがごまんといるんだ。てめえは一人寝で気の毒だけどよ、せいぜい寂しく過ごせよ。船番引き受けるっつったのてめえだもんな」
話を振ったのはサンジだったが、思わぬことにあっさり引き受けたのはゾロだった。
だから、なんら責任を感じることはないはずだ。そう思って、それを殊更強調する。
「酔っ払いは女の子に嫌われるだろ。だから程々にしとかあ」
そう言って立ち上がった。
大丈夫、まだ足元はふらついたりしてない。
自分の酔いの回り具合に気をとられていたから、ゾロの動きに気付かなかった。
ゾロも意識して気配を消していたのだろう。
気が付けば、サンジは意識を失って床に転がっていた。

―――隙だらけだな
ゾロの心中の不穏な渦に気付くこともなく、サンジはあっさりと手中に落ちた。
油断していたのか、その方面にまったく疎くて、そもそも思い至らなかったのか。
なんにせよ浅はかだと思わずにはいられない。
一度ゾロの意のままに身体を開いておいて、それがなかったことにできるなどと、本気で思っていたのだろうか。
見くびられたものだ。

ゾロは周囲に無頓着そうに見えて、その実執着心は常人より凄まじい。
目的を達成するためには何の犠牲も省みないし、手段も選ばない。
本人に自覚はなかったが、強さへの執着がそれの最たるものだろう。
天国にまで名が届くような大剣豪になると本気で誓った言葉を、子どもの時分ならいざ知らず、とっくに成長して大人になった今でそれを信じて疑わない頑固さは、野望というより妄執に近い。
元々持ち合わせた気質を助長させるように、自らを鍛え高めて、ゾロは不可能を可能にしていった。
荒唐無稽な夢ですら、その手で掴み手繰り寄せる。
気に入った玩具を一旦手にしたなら壊れるまで弄び放さないように、目の前をうろつく気になる存在を一旦手中にしたならば、それ自らが離れていくことを許すゾロではなかった。
意識を失い、くったりと弛緩した両腕を頭上に抱え上げて、荷造り用のロープで緩めに縛った。
手首だけを圧迫しないように、腕にも巻きつけて結び目をいくつか作る。
それを柱に引っ掛けて括りつけると、今度はサンジのバックルを外して、ズボンを下着ごとずり下げた。
サンジの腹が一瞬凹んで、ゆっくりと上下する。
鳩尾に一発入れただけだから、間もなく気が付くだろう。

苦しげに眉を寄せ、二、三度咳き込んでサンジはゆるゆると目を開けた。
蒼い瞳が宙を彷徨い、身近で覗き込むゾロを捉える。まだ状況を理解できていないのだろう。
その視線に敵意はなかった。
「・・・あれ、ゾロ?」
やや間の抜けた声を出して、それから自由の利かない腕に気付いて弾かれたように上向いた。
戒められた自分の腕を見て、信じられないといった感じで目を見開く。
それでも尚、この状況を作り出したのが誰なのか、理解できなかったらしい。
「ゾロ、誰なんだ。てめえ無事なのか?」
この期に及んでそんなことを言うから、とうとうゾロは笑い出した。
「どこまで間抜けなんだてめえは。誰なんだって?俺だよ」
その口元が酷薄そうに歪み、軋むような声が漏れる。
ゾロの豹変振りが、にわかには信じられなかった。
「・・・なんで、ゾロ・・・なんのつもりだ?」
「なんのつもりだって?俺が一人寝で寂しいからだよ」
開いたシャツの間から掌を差し込み、ゆっくりと撫でた。
サンジの身体が小さくびくつき、見開いた蒼眸を彷徨わせる。
「今夜一晩くらい、俺に付き合ってくれたっていいだろう。たいしたことじゃあないはずだ」
お前にとっては、とそう念を押された気がして、サンジは口元を歪めた。
ゾロは、あの時の言葉を当てこすっている。
ここで動揺を見せたら負けだとも思う。
「けどよ、だからってこういうパターンはねえんじゃねえの。こんな、騙し討ちみてえな・・・」
「なあに、たまたまだ。たまたま欲求不満の俺の前にてめえがいたんだよ。それだけだ」
意趣返しだ。
あまりにあからさまなゾロの態度に、サンジは腹を立てて足を動かした。
だが膝下まで半端に下げられたズボンと下着が絡まって、思うように動かせない。
そこにゾロが体重をかけて腰を下ろし両手を使って、サンジの胸や腹を撫で擦り始めた。
しっとりと首筋に舌を這わせ、吸い付いてくる。
荒れた指先がサンジの柔らかな肌の飢えをすべる度、がさついた感触を残して、それが酷く扇情的でむず痒かった。
頬に、顎にキスを落とされて耳朶を噛まれる。
そんな優しい愛撫が堪らなくて、サンジはきつく目を閉じて息を殺した。
両手を戒められて自由を奪われているのに、ゾロの手があまりに優しい。
容易く快楽に流されそうで、サンジは歯を食い縛り他のことを考えようと努力した。
だが、乳首を弄られ舌で転がされただけで、危うく声を漏らしそうになる。
曝された下半身は熱を持って勃ち上がり、自分が感じてしまっていることを如実に証明してしまう。
「・・・クソ野郎・・・、下衆めっ・・・」
「下衆に弄くられて勃ってる野郎はどいつだよ」
からかいを含めて、ゾロは一層強く首筋を吸った。
サンジが抗議の声を上げる。
「痕を、つけんな馬鹿!」
このままゾロに犯されるのは、もう仕方がないと思う。
構わないというよりも、ちょっと嬉しいなんて腐った気持ちも混ざっていて、成り行きに任せるつもりでいた。
だが、ゾロはサンジのその言葉にぴくりと眉を動かし睨み付けた。
「なんだと?」
「・・・だから、痕をつけんなっつったんだ。俺が陸で遊べねーじゃねえか」
ゾロの目がすうと眇められる。
未だかつてないほど残虐な光を帯びたそれに、サンジは漸く自分が失言したことに気付いた。
「・・・ゾロ?」
「・・・なんだ、まだ他の奴と遊ぶ気でいたのかよ」
ゾロの口元がゆっくりと引き歪み笑いを形作る。
まるで悪戯を思いついた子どものような罪のない、けれど容赦ない目の光。
「なら、遊べねえようにしてやるよ」
ゾロの口が、笑いの形から大きく開かれる。
歯並びのいい真っ白な歯列が見えたと思ったら、それはおもむろにサンジの首筋に噛み付いてきた。

「いっ・・・痛えっ!」
思わぬことに身を捩って抗うのに、がっちりと肩を掴まれて身動きも取れない。
柔らかな喉笛にゾロの歯が食い込むのがわかって、未知の痛みにサンジは恐怖の声を上げた。
「痛え、痛えよっ」
噛まれたことで動脈が圧迫されたようだ。冗談でなく目の前が暗くなる。
歯が食い込む痛みよりも、このまま喰いちぎられて血が噴き出すのではないかと、心底恐ろしくなった。
だが、ゾロが力を抜き口を開けて離れると、恐れていた大出血は見られなかった。
目を見開いたまま、ほおと安堵の息をつく。だが噛まれた首がずきずきと痛み、こめかみの鼓動と合間って、噛み殺されるような恐怖は引かなかった。
ゾロが首筋をついと撫でて、その指先を見せ付けるようにサンジの目の前に翳した。

人差し指の腹に、血がついている。
血が滲むまで噛んだのか?こいつ、本気で・・・
驚きと恐怖で顔を引き攣らせるサンジに満足したのか、ゾロは晴れやかに笑って、今度は肩口に噛み付いた。
また歯が喰い込み新たな痛みがサンジを襲う。
「ばっ、馬鹿野郎っ・・・痛えって、痛えよっ・・・」
痛いと泣き叫べば、それだけゾロは噛む力を強くした。
本当に引きちぎられそうなほど噛み締めて、またゾロが唐突に顔を離した。
サンジが半端に身体を起こして自分の型に目線を落とすと、はっきりと血が滲んでいるのが見て取れる。
その傷跡をゾロは愛しげに撫でて、片方の手で腹の下の繁みを探った。
「ああ、可哀想に。すっかり縮んじまったな」
やんわりと扱きながら、柔らかな愛撫を施す。
だがサンジは先ほどの痛みと衝撃で、身体の力が抜けなかった。
「おい、力を抜かねえとこちも辛い目にあうぜ」
ゾロの顔が愉悦に歪んでいる。
サンジは信じられない思いで、その目を見つめ返すしかできなかった。
「・・・あ、ああっ・・・」
ゾロのために買って帰った酒を塗られて、サンジは犯されていた。
直腸から直に吸収されたアルコールが全身を駆け巡り、ひどい眩暈のような酔いに晒されている。
ゾロの律動に合わせて声を上げるのが精一杯だ。
縛られた指先は痺れて感覚が麻痺し、自分の意思で動かすことすらできやしない。
大きく開かされた足はまるで人形のように、ゾロの後ろで白く揺れている。
「ちった、動きやすくなってきたな」
硬い殻を突き破るように強引に腰を進めておいて、ゾロは満足そうに目を細めた。
結合部がぐちぐちと音を立てている。
刺激されて勃ち上がったサンジ自身も、露を滲ませて揺れていた。それを柔らかく扱きながら、ゾロは大きく身体を揺すって奥へ奥へと突き入れては引き抜く。
サンジは壊れた人形みたいに、その動きに合わせて息を吐き、声を上げた。
もう男の意地もプライドもない、ただこの拷問のような辛く苦しい、けれど受け容れがたいほどに甘い時間を一刻も早く終わらせたかった。

ゾロの手が施す痺れるような愛撫を、認めたくはなかった。
なのに、張り詰めた己は呆気なく達し、震えながらゾロの手を濡らした。
ゾロが満足そうに息をつく。
だが、サンジの中のゾロはまだ達していない。
硬く芯を保つそれをまた奥まで突き立てられて、サンジは悲鳴を上げた。
「・・・もう、イけ!イけよっ」
「まだだ」
ゾロはサンジの背中に手を回し抱え上げると、逸らされた乳首に噛み付いた。
一際高い悲鳴が上がる。ぎりぎりと歯を立てられて噛み締められる。
サンジは目を見開いて、口を開けて大声で叫んだ。
「う、あああっ・・・痛えっ・・・痛えええ」
声に呼応するようにさらに噛み締められる。
このまま喰いちぎられる恐怖がまたしてもサンジを遅い、強張った身体が一層ゾロを締め付けた。
唐突に唇が離され、痛みと痺れをそのままにゾロの歯から開放された。
「すげえ、な・・・」
見上げるゾロの目は、純粋に輝いて見える。
サンジに対する罪悪など微塵も感じさせない、遊びに夢中な子どものようなそれ。
「なんて締め付けやがるんだ。てめえ」
嬉しそうな表情のまま、もう片方の胸に噛み付いた。
再度襲う強烈な痛みに、サンジが身体を仰け反らせる。
本気で噛み千切ろうと、ゾロが噛んだまま引っ張った。サンジは泣きながら声を張り上げた。
「痛ええっ、やめろっやめてくれ・・・」
「ああ、くいてえな・・・」
乳首を歯に挟んだまま、ゾロがぞっとするようなことを呟く。
このまま噛み千切って、噛み砕いて飲み込みたいのだ。本気でそう思っている。
「・・・ゾロ、やめろ・・・」
サンジの泣き顔を覗き込むようにして、また顔を歪めて笑う。
楽しくて仕方がないと言った風に。
「てめえのその面、たまんねえな」
血の滲んだ乳首をべろりと舐めて、舌で転がした。
唾液が染みてじんじんと痛みが響く。
なによりまた噛み付かれないかと、それが恐ろしくて身が竦んだ、
「乳首を噛み千切られた男ってのを、女が見てどう思うんだろうなあ。それもおもしれえなあ」
「よせ・・・やめろ、やめてくれ・・・」
サンジに己を埋め込んだままゾロは腰を揺らしてあちこちに歯を立てた。
腕に脇腹に、抱え上げた膝の裏に。何度も噛み付いて絶頂を促しては、その度にサンジの奥に精を放った。
痛みで萎えていたはずのサンジ自身もいつの間にか勃ち上がり、ゾロの興奮に応えるようにまた揺れ始める。
「とんだ淫乱だな、てめえ。いや変態か?痛えのが、いいのかよ」
「違・・・、畜生・・・」
何度もゾロの精を飲み込んで、滑る内部は快感を拾い始めていた。
ゾロの動きがいい部分を刺激して、射精感が止まらない。
「嫌だ、もう・・・」
「嘘付け、イイんだろう」
ゾロはサンジの内股に両手をかけて大きく開かせると、ガンガンと乱暴に突き入れた。
叫ぶ前に唐突に引き抜き、開かれた内股に歯を立てて思い切り噛み付く。
掠れた悲鳴が響き渡り、ゾロの顔の真横で白いペニスが白濁の液を撒き散らし果てた。




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