「来いよ、ハードゲイの高みへ!」−2




「……気に入らなかったか?スマン。そうだな…服なんて、それぞれ趣味があるもんな」

 ゾロがしょぼんとして項垂れている。尻尾を垂れた虎みたいで物凄く可愛い。
 見た瞬間には《…嫌がらせ?》と疑って、蹴りつけようかどうししようか悩んでしまったが、どうやらゾロ的には凄く気に入っていたらしい。

 ベッドの上に広げたのは、服というか下着というかイタ着というか…とにかく、マッチョなお兄さん達が己の筋肉美を誇示するために着用する類のボンテージだった。キンタマが見えそうなピッタリとしたハイレグで、ウエスト部分は蜂のようにぎゅうぎゅう縛って細くする仕様だ。肩ひもはなく、胸元はギリギリ隠れるものの、生地自体は脇腹までしかなく、大きく開いた背中は革紐を交互にクロスさせる形になっている。腰の方まで布地がないから、少し動くとお尻の上部分の谷間が覗きそうだ。

 黒革の細いチョーカーには銀細工の留め金がついていて、少し犬の首輪のようにも見えるが、こちらはお洒落アイテムとして使えないこともない。

 さっきからやたらと《〜こともない》表現が多いのは、現状を何とかポジティブに受け止めようとしているせいだ。サンジだって恋人の趣味に合わせたいという意欲はあるのだ。

「いや…違ェよ。う…嬉しいぜ…?てめェからプレゼント貰うなんて初めてだし…」
「そうか。じゃあ着てみろっ!ほら、真っ黒だからきっとよく似合うぞ?てめェは色白だから特に似合うだろ」
「でもよ…こういうのって、よく陽に灼けた褐色の肌の野郎どもが着るもんじゃね?」
「いや、俺は色白派だ。ロビ○マスクやテ○ーマンもそうだったからな」
「なんだよ。昔スキだった男か?」
「アニメだけどな。面白いぞ?今度大きな街で映像ライブラリーみてェなとこがあったら、一緒に見ようぜ?友情と闘いが織りな熱い話だ。特にロビン○スクとウォー○マンのくだりなんか、てめェ、涙流して感動するぞ?」
「そ…そっか」
「行こうな。約束だぞ?」
「…うん」

 別にちっとも全くもって見たくはないのだが、ゾロがあんまり目をキラキラさせて誘ってくるし、《一緒に行こう》という約束が、まるでデートのお誘いみたいでポーっとしてしまう。アニメとは言っても、一緒に映像を見に行くのだから映画館デートみたいだ。折角だから待ち合わせとかして…いやいや、ソレその日の内に会えないから!と、妄想に突っ込みを入れたりする。

 いや、まずは目の前のこいつをどうにかせねばならないだろう。

「着てはみるけどよ…似合わなくても笑うなよ?ブカブカかもしんねェし」
「店で一番細いやつだから大丈夫だろ。店の奴に大丈夫かって心配されたんだが、《うちのコックはケツが片手で掴めるくれェちっせェんだ》って言ってやったぜ」

 何故自慢げ。
 そして本当に嬉しそうな顔をして言うから、ゾロにとってはサンジが小尻で細身だと言うことが自慢であるらしい。
 何だか嬉しくなってきて、スルスルと服を脱いでいってしまう。

「うぉ…イイな。ネクタイ緩める動作の時に、俯き加減なのと手の甲の腱が浮かぶのが良い感じだぞ」
「そ…そうか?」
「シャツをはだける動作も良いな。胸を突き出すみたいにした時に、側胸部からウエストに掛けて筋溝がハッキリするのがイイ」
「そうか…」

 頬を上気させて照れ照れしながら脱いでいくと、気が付いたら全裸になってボンテージに脚を通していた。ゾロはもう前屈みになってガン見していて、息が掛からんばかりの距離に来ている。そういえば、何だかストリップみたいだ。

「凄ェな…乳首だけじゃなくて、チンコまでピンクなのか。果物みてェだな。凄ェ旨い桃みてェだ」
「う…うっせェ。童貞くさいとか思ってんだろ?」
「元々色が白いせいだろ?第一、童貞ならお互い様じゃねェか」

 そういえばそうだ。ゾロだって色黒とは言え未使用なのだから、意外とピンクで可愛いのかも知れない。後で見せて貰おう。

 ボンテージを着てみると、予想外にぴったりだった。背中が開いて革紐で調節できるぶん、きっちりと身体に合わせて着られるらしい。

「ど…どうだ?」
「凄ェ…イイな」

 ゾロの瞳が興奮を示して金色に光る。琥珀色をした虹彩の縁に金環が浮かぶのだ。
 ゾロが自分に対して明らかな欲情を示しているというだけで、サンジはゾクゾクするような興奮で指先が痺れるようだった。

「やっぱり、てめェの脚は最高だな。あ〜…やっぱもういっちょ奮発してブーツ買えば良かったぜ!」

 実に惜しそうにゾロが舌打ちする。拘りのポイントがよく分からないが、それがあると完璧なのか。

「後で買いに行くか?俺も出すよ」
「いいや、こいつはてめェにプレゼントすんだ。俺の趣味ですることだからな」
「じゃあ、俺もてめェに似合いそうなの買うよ」
「そうか?しかし俺ァ、こういう衣装を自分で着るのは趣味じゃねェな」

 勝手な言いぐさではあるが、ボンテージを着て鏡の前で異様な笑顔を浮かべながら《キレてる!このポーズキレキレだぜっ!》なんて叫んでいるゾロはかなり嫌だ。

「見るのは好きなのか?」
「元々はプロレスの衣装の方が好きだったんだけどな。てめェにはそっちのが似合うと思ってよ」

 《似合うにあうニアウ…》真っ直ぐに賞賛の言葉を受けると、もうそれだけでメロメロになってしまう。未だにゾロが自分を受け入れてくれるという事実が嬉しすぎてしょうがないのだ。
 思わずベッドに腰掛けると、プイっとそっぽを向いたままではあるのだが、ゆっくりと脚を開いていって、ゾロの視線が焦げ付きそうなほど股間に集中しているのを感じて心を高揚させる。

「胸元ちょっと開けて、乳首出して良いか?」

 聞くな。そういうコト。

「バーカ。スキにしろってば。服を送った男にゃ、それを脱がす権利があるっていうからなっ!」
「…てめェ、これから絶対他の男から服もらったりすんなよ?」
「意外と嫉妬深ェな」
「おう。てめェだけは他人と共有なんて絶対できねェ」

 グイっと首のチョーカーを掴まれると、銀の留め具にくるりと予備の革紐を通される。その端を銜えてニヤリと嗤いながらゾロは宣言した。

「てめェは俺のモノだ」
「じゃあ、てめェも寄越せよ?」

 身を伸ばしてカプっと鼻に噛みついてやったら、嬉しそうに《飼い犬に噛まれた》なんて言うから、《くゥん》と喉を鳴らしてゾロの頬をペロペロなめてやる。

「可愛がれよ、ご主人様。満足できなかったら、噛み千切ってやる」
「怖ェ犬だな。いや…てめェの場合は狐か?尻尾見せろよ」
「んひゃっ!」

 M字に開いた脚を抱えられてまんぐり返しの体勢を取らされると、ゾロの喉がごくりと鳴る。関節の柔らかさに感嘆しているようだ。

「凄ェ…てめェならできるぜ、筋肉バスターっ!」
「なんだそりゃ?」
「キン肉○ン四十七の必殺技のひとつだ。今度映像ライブラリーで一緒に見ような」
「おう」

ゾロはサンジの小さな尻を撫で回していたかと思うと、革布と生肌の間に指を挿入させてふにふにと小袋を弄ったり、少しだけ開けたフロントジッパーの隙間から、右の乳首だけ出してペロペロと犬のように舐める。

「あひゃっ!ははっ!くすぐってェよ〜」
「コリっとして旨ェぞ?」
「ぁんっ!ばか…囓るなよ」

 くすくすキャッキャッ。
 シーツの上で二人して転がりながらじゃれ合うのは実に愉しくて、サンジはゾロの背中を抱いて笑ったり肌を舐めたり囓ったりしていたし、ゾロも最初のうちはそうだった。けれど、大きく股間の革布をずらしてぴょこんとチンコを引き出されると流石に吃驚した。

「お…おい…」
「なんだ。まだ勃ってねェのか?」
「んー、全然ってわけじゃねェけど…」
「俺なんてヤル気満々だぞ?」
「だったら見せてみろよ。てめェの童貞チンポ」
「お互い様じゃねェか」

 《そりゃそうだ》と笑い合った迄は良かった。だが、ゾロがニッカポッカのフロントからズルリととんでもない逸物を取りだした途端、サンジの形相は一変した。漫画のように《ビヨヨン》と目が飛び出したような気がする。

 何コレなに此。

 大蛇隠してたのか?
 それとも腹巻きから茸が生えちゃったのか?
 しかも色的に毒茸だ。赤黒くてビキビキと血管が浮いてて、長さはサンジと良い勝負だが、何しろとんでもなく太い。亀頭部分もゴツっガツっと凶悪にカリが発達していて、男として色々と物申したいような威容を示している。

「てめ…それ、ち…チンポ、なのか…?」
「それ以外の何だっつーんだ」
「だって…なんか、俺のと全然違うし…」
「おう。てめェのはピンクだもんな。でも、形がイイし長さは一緒くらいだぜ?」

 嬉しそうに笑顔で言われると、ゾロのも褒めざるを得なくなるではないか。サンジは貶されれば10倍に、褒められれば1.2倍くらいには返したいと思うタチだった。

「てめェは…ええと…そのゥ…強そうだ、な」
「そうか!?」

 我ながら微妙な表現だったのに、ゾロは気色満面だ。大剣豪希望だけに、何でも最強が好きらしい。単純でおバカで、どうしようもなく可愛い。キューンと胸がときめいてしまって、ついつい指を伸ばしてしまう。

「血管とか浮いてて、カリとかボコっとしててよ。ここだけ違う生き物みてェ…」

 カリ首を確かめるようにクイッと親指で擦ると、ぷくんと鈴口に浮いた我慢汁がふるふるし始める。我慢していると言うより、まるでその先に何が起こるのかとワクワク待ち受けている子どものようだ。そう思うと急にこの威容を誇る逸物が愛おしくなってきて、湧き出る我慢汁…いや、ワクワク汁をチュッと吸い取ってしまう。

「ゥおっ!」

 ぶるりと腰を震わせたゾロがサンジの頭を掴んで、強引に咥内へと陰茎を突き込んできた。喉奥に当たって苦しかったが、我を忘れるくらいに嬉しかったのかと思うと怒る気にはなれなくて、稚拙ながら舌も使いながら咥内を収斂させてやる。太さが尋常ではないから口の端が切れそうだ。

「き…気持ちイィ…凄ェな……てめェのナカ、ぬるぬるして、滅茶苦茶気持ち良い…っ!」
「ん…にゅ……っ…」

 じゅぷっ…にゅぷっ!
 頭を掴まれて強引に腰を使われると涙が溢れてくるけれど、懸命に奉仕をした。



*  *  * 



『こいつ…凄ェ……っ!』

 もはや感嘆の言葉しか沸いてこない。
 ベッドの上で四つん這いになったコックは薄くて形良い唇を限界まで広げてゾロの逸物を銜えている。長さ的にはとても全てを呑み込ませることなど出来なくて半分ほどが咥外に出ているが、瞬間的には頑張って喉奥まで呑み込んでくれるから、綺麗な白い顔にゾロのもじゃもじゃとした陰毛が触れてくすぐったそうにしている。
 荒々しく腰を使えば唾液と先走りの液が混じって顎に垂れていって、顎から首筋に掛けて淫らな筋を作っていった。

 シーツの上でうねる白い肢体はプレゼントしたボンテージに包まれて、キュッと小気味よく括れた腰や片手で掴めるくらい小さな尻が揺れている。後ろからの眺めも最高だろうと思っていたら、部屋の壁面に設えられた鏡に気付いた。角度を調整して立ち位置を変えると、ゾロの股間に顔を埋めて口淫に耽る姿が丸写しになる。革布の横から取り出されたままの陰茎は赤っぽいピンクに染まってぷるるんぷるるんと大変可愛らしく前後に揺れ、その度に雫をまき散らせている。かなり量があるようで、一瞬射精しているのかと思ったが、透明なそれは我慢汁であるらしい。

 横腹から腕を差し入れて乳搾りの要領で上下させてやると、《んーっ!》と泣きそうな顔をして嫌々をする。そうされると咥内に銜えられた逸物が反応して、出すつもりなど無かったのに誤射してしまった。

「んーーーーっっ!!」

 いつの間にか目に涙をいっぱい溜めていたコックは、苦しさのあまり白濁を吐き出すかと思ったが《勿体ない精神》でも発動させているのか、吐きそうになりながらも懸命に口を押さえている。栗鼠みたいな頬袋になっているのが愛らしい。ただ、どこかのエロ本で仕込んだ知識に基づいて呑み込もうとしているようなのだが、コックの味覚がそれを赦さないらしい。

 しまいにはあまりの生臭さにか、ぼろぼろと涙を零し始めたから、《無理すんな》と囁きかけて、口元を覆っていた手を剥いで強引に口を開けさせ、ゾロの掌に白濁を出させた。

『うぉ…』

 ゾロの血色の良い大きな掌に、ピンク色をした口からどろりと白濁が溢れ出す。よくもこんなに出したものだと感心するくらいに大量だった。
 コックは舌が痺れたのか、涙を流しながらべろんと舌を出していたが、上目遣いにゾロの様子を伺うと、不安そうに問いかけてきた。

「…気持ち、良かったか?」
「おう、最高だ。今度は俺がやってるな?」
「い、いや…っ!俺は良いから…っ!」
「そんな訳にゃいかねェよ。てめェも限界だろ?」
「あ…っ!」

 コロンとまたまんぐり返しの姿勢にさせてやると、ついでに掌に出させたゾロの精液をぬにょりとコックの陰茎に絡めてやる。既に自らの先走りで濡れていた陰茎は、透明なのと白く濁った液体とでつゆだくになり、手を上下させると面白いようにピュっピュっと鈴口から先走りが拍出される。それが黒い革布の上でふるるっと揺れるのが、コックが感じている証のようで嬉しかった。

 そのまま刺激を続けて行ってやると、《ビュク…ビュッ!》と勢い良く白濁を迸らせる。黒革や生肌の上に散った雫に、ゾロはごくりと息を呑む。

「うし。ケツも開くぜ」
「え…っ!?」

 どうやらコックは気付いていなかったようだが。実はお尻の部分にも隠しジッパーがあって、小さな金具を引いていくとそちらから陰茎と蕾を露出することができる。ボンテージを着たまま挿入できるというのがウリなのだそうだ。
 
「お〜…こんなトコまでピンクたァ驚きだぜ」
「…ひゃっ!や、やめ…んなトコ…汚ねェ〜っ!!」
「ナニ言ってんだ。馴らしとかねェと地獄みるらしいぞ?ケツが血まみれになったら、クソする時大変だろうが」
「う…」

 一応ココで繋がるという知識はあるようだが、ビクっビクっと震える尻は可哀想なくらいに怯えている。キュッと締まって侵入者を拒む蕾も頑なで、指先が一節はいるのが精一杯だ。

「スマン。こりゃやっぱり潤滑剤使った方が良さそうだな」
「はひ…?」

 腹巻きから店で購入しておいたチューブを出すと、人肌程度に暖まっていたので丁度良さそうだ。どのくらい入れれば良いのか分からないが、初めてでこんなに頑ななのだから、きっとたくさん必要だろう。

 ゾロには、愛はあるが知識はなかった。
 そのせいでうっかりぽんとコックに快楽地獄を見せることになる。

「よし、良い子にしてろよ?」
「ひ…っ!や、やめェ……っ!!」

 蕾にチューブの尖端をつぷりと突き刺した途端にコックが暴れ出しそうになったが、きっちり捕まえておいて思いっ切りチューブの腹を掴んだ。勝負は一気に決めておかないと逃げられるかと思ったのだ。別に拷問紛いのプレイをする気などさらさらなく、予防接種の注射を嫌がる子どもを押さえつけ程度の気持ちでいる。必要な措置なのだから、ちゃんとしておいてやるのがコックのためだ。

 ジュブブブ…っ!!

 異音を立てて大量のジェルを注入してやると、コックは口を《あ》の形に開けたまま仰け反って、爪先までピィンと緊張させて強張ってしまう。チューブの中身を全部出し切ってポイッっとベッドサイドに捨てると、量が多すぎたのか、《ジュ…ぷぶっ!》と淫猥な音を立ててピンクのジェルが溢れ出してくる。

「や…ヤメロって…い……言ったのにぃ……」

 ひっくひっくと泣きじゃくるコックを宥めるように尻を撫で回しながら、ゾロは栓をするように太い指を入れていった。今度は一本銜え込ませることが出来たが、その容積分溢れ出したジェルが双丘の谷間に流れていく。

「エロい…。自分から濡れてるみてェだぜ?」
「濡れるかよ…あほー…っ!」
「泣くな。ココ、ヨくねェか?」
「ん…ァ……」

 ご機嫌を取るようにグチグチと指を動かしていくと、以前立ち寄った男娼館で聞いていたように、反応のイイ膨らみを見つけた。暫く刺激し続けてやると指は三本も入るようになり、感じすぎたコックはチンポの根っこを締め付けて到達を拒んだ。

「も…ダメっ!出…やば……っ!」
「おう。出しても良いぞ」
「やだ…やだーっ!こ、こんな角度でやったら俺の顔に掛かるじゃねェかっ!さっきも危なかったんだからな!?」
「おお…そういえばてめェ、ホントに柔らけェよな。もしかして、自分で自分のチンポ舐められるんじゃねェのか?」
「てめェは俺にナニを目指させる気だ…っ!?」
「てめェなら極められるぜ…来いよ、ハードゲイの高みへ…っ!」
「そんな高み極めたくねェっ!!」

 そうは言いつつも、ぐいぐいと容赦なく太腿をベッドに押しつけてやると、凹凸には乏しいものの長さはなかなかのものだから、ちゃんとコックの口元に到達してしまう。ぽたぽたと先走りが顔に滴る度に、コックは嫌々をして涙を零した。

「やだ…やだァ…。ゾロ…やめ…」

 コックは泣きじゃくって嫌がるが、こういう時の好奇心というのはなかなか止まらないものだ。

「サンジ…頼む。銜えて見せてくれ。てめェにしか出来ねェことだ」

 真剣な表情で頼むと、コックは困り果てたように涙でぐしゃぐしゃの瞳を眇め、くるんと巻いた眉の端を下げた。

「…ホントに、こんなの他にする奴いんのか?」
「おう。最強のハードゲイだけだがな」

 オカマの上を行くホモ。
 ホモの上を行くゲイ。
 ゲイの上を行くハードゲイ。
 誤った三段階成長曲線を信じるゾロにとって、ハードゲイとは男好きカテゴライズの中で、一番凄くてカッコイイというイメージがある。

 トレーニングが唯のトレーニングで、ハードなトレーニングな厳しいトレーニングなら、ハードなゲイは全ての男色家の上に君臨する最強のゲイだと思っているのだ。 
 ゾロはとにかく、最強の名が大好きだった。

「う…ぅう〜…」

物凄く葛藤したようだが、様子見にグイッと脚をベッドへと押しつけてやると、殆ど巻物状態のコックはパクンと桜紅色のチンポを銜えた。喩えようもなく淫靡な姿に誘われるように、ゾロは上からのし掛かるようにして怒張しきった逸物をずぷりと挿入していった。

「んーーーーっっっ!!」
「ぅお…ぬるぬるしてんのにキツく締め付けてくるっ!イイ骨盤底筋してんな…っ!」
「んふぅ…っ…んふぅうん〜っっ!!!」

 ぐっぷぐっぷと腰を上下させてやれば、もうどうにもこうにも限界だったらしい。弾けたコックのチンポは咥内から飛び出して、長く堪えていたせいか夥しい量の精液が顔にぶちまけられる。

「ふァ…ぁあああーーーっっっ!!」

 細い足首を掴んで天頂方向に引き揚げ、Vの字型にしたしなやかな脚の間に逸物を突き込んでやれば、我を忘れたコックは自分の精液にまみれた顔で仰け反る。

「イくぞ…呑み込めよ…?」
「ふ…ァあんっ!」
「く…っ!」

 ガクガクと震える体腔内にドクンと迸りを吐き出せば、コックは咆吼をあげて気を飛ばしてしまった。



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