「来いよ、ハードゲイの高みへ!」−3




気絶したコックからゾロがチンポを抜いたのは、散々に体腔内を貪って抜かず三発を決めた後だった。白濁とピンク色のジェルが射出するような勢いで溢れ出し、ゴプッ…グプと音を立てて黒い革布を伝っていく。

『気を失うたァこいつらしくもねェ。今度鍛えてやらねーとな』

 最近痩せてしまったと言っていたから、きっと一時的に体力が落ちていたのだろう。この島ではしっかり良質な蛋白製品を買いこんで、筋肉も体力も付けて貰わねばならない。心配していたケツの孔も切れることなくゾロを受け止めたし(収縮力と共に、拡張性も素晴らしいらしい)、ゾロに挿入されながら自分のチンポを銜えて達するという離れ業も見せてくれた。

「やっぱてめェは最高の相方だぜ…っ!」

 抱き寄せて熱烈なキスをしてやれば、噛みつくような勢いのせいかコックが意識を取り戻した。

「ん…」
「お、気が付いたかコック」
「…気持ち良かった、か?」
「おう。てめェは最高だなっ!極上のハードセックスだったぜ」
「…ったくよう。マジでハードこの上ないぜ。この俺が気を失うくらいのプレイだぞ?ホントに他の奴もこういうことしてんのかよォ〜」
「だから生半可な奴にゃできねェ芸当だって言ってんだろ?へへ…てめェを選んで正解だ。一生鍛えてやるぜ」
「できれば…もーちょっと優しくしてくれ」
「ナニ言ってんだ。互いに高め合うのがハードゲイの極意だぞ?」
「だから俺は普通に恋愛したいんだっつーのっ!」

 脚をジタバタさせて暴れるコックを躾るには、もう少し掛かりそうだ。
 とはいえ、宥めたりすかしたり飴と鞭を巧く使えば、ゾロのおねだりには弱いと見た。基本的に尽くし系で、人を喜ばせることが好きだからだろう。

「う…っ」
「どうした?」
「うっせェ…なんでもねェっ!」

 そうは言いながらも身を捩って股間を隠そうとするから、察しが付いてコロンと四つん這いにさせてやると、革布越しに双丘を割って濃いサーモンピンクに染まった蕾を剥き出しにする。すっかり柔らかくなったそこを指で開いてやれば、くぷくぷとあえやかに白濁が溢れてくる。あんまりたくさん含ませたから、油断すると溢れてくるらしい。

「たっぷり注いだからなァ…」
「見るなァーっ!変態っ!!」
「変態じゃねェ。ハードゲイだ」
「知るかボケぇええーっ!!」

 コックの回復力を舐めていたゾロは、悦に入ってケツを眺めている内に強烈な蹴りを顔面に喰らって吹っ飛んだのであった。

 

*  *  * 



 後日、サンジとゾロは仲良く映像文化ライブラリーに出かけてキ○肉マンのダイジェスト版を視聴した。最初の内のコメディ部分ではそうでもなかったが、血湧き肉躍るような友情と闘いのドラマが展開され始めると、サンジもググっと身を乗り出して物語に集中した。特に闇○超人にミ○ト君が捕まった時には、《なんかチョッパーが捕まってるみてェ》とか言いながら、両手を揉みしぼってハラハラしていた。

 見終わってライブラリーから出てくる頃には、すっかり筋○超人と化したサンジとゾロは、《へのツッパリはいらんですよ!》《おお!ことばの意味はわからんがとにかくすごい自信だ!》等と、ちょっとした会話に決め台詞なんか組み込んで良い気分であった。



*  *  * 



「筋肉バスターっ!」

 今日も元気にゾロとサンジが喧嘩をしているのだが、何故だか最近、二人で喧嘩するときだけサンジが少し手を使った攻撃をする。直接手で殴るような真似はしないが、ゾロの手足を掴んで関節技を決めるのだ。
 そんな時、妙にイイ笑顔で組んずほぐれつしているのが、別に知りたくもないのに事情を知ってしまったナミからするとかなりしょっぱい。

 しょっぱいと言えば、あの連中がこっそり隠しているつもりでいる衣装もかなり嫌だ。
 うっかり覗き見してしまったサンジのボンテージはまだ《意外に色っぽいわね》と思ったが、ゾロのブーメランパンツとGストリングスは頂けない。かなりホンモノっぽくて怖い。

「お、コック。外腹斜筋の溝がくっきりしててイイな」
「へっ…。縫工筋はこんなもんじゃねェぜ?」
「大腿直筋なんかは鍛えるとすぐに出るが、縫工筋が綺麗にでるのは痩せてるてめェだからこそだな」
「よせやい。くすぐったいぜ」

 イチャコラいちゃこら…。
 クソどうでも良いことを嬉々として語り合っているホモ野郎どもに、とうとうナミの堪忍袋の緒が切れた。

「行って来い、大霊界…っ!!」

 スカパラコーン…っ!
 
 勢い良く鉄拳で吹っ飛ばした二人のバカップル達は綺麗な放物線を描いて海に落ちたが、《遊泳速度で俺に勝てると思うなよ?》《持久力で最終的には俺の勝ちだ》なんて楽しそうにやりあいながら帰ってくる連中に、空を仰ぐしかなかった。

 バカップルに、つける薬は無いのである。



おしまい





あとがき

 スキモノダモノであるにもかかわらず、そう言えば稚拙なサンジからのキッスしかしていなかったという、ある意味問題なお話ですが、黒いたぬき缶で実施しましたアンケートでは意外と上位につけていました。2011年ゾロ誕生日記念アンケートでは11票という、素敵にマイノリティな得票数だったガチムチ好きゾロだったのに(笑)

 今回はガチムチ好きから細マッチョサンジスキーと化したゾロが、楽しく筋肉を観賞しながら合体を完成させる筈だったのですが、気が付けばハードゲイというよりハード芸な合体技を二人で決めてしまいました。「これでギャラは一緒です〜♪」とサンジが言ってもしょうがないですね。ひたすら大変だったのはサンジばっかりで、今回のゾロはとんとハードなことをしていない…。

 変な笑いを味わって頂ければ幸いです。