Bird song 5

ゾロは下着ごとズボンを引き下ろして、膝を割った。
半勃ちになった自身を凝視されて、サンジは空いた手で顔を覆う。
口が利けない分、従順になったようで胸糞悪いが今更抵抗してお互い痛い目を見るのも馬鹿らしい。
見られていると思うだけで、先走りの露が出そうで困った。
じっと見てねえで早く何とかしやがれと心の中で叫んだら、おもむろにゾロがかぶりついてきた。
ぎえっ情けなくも色気もない叫びが喉の奥まで競りあがった。
いきなりそれは反則だろうってーか、止めてくれ。
ばたつかせる足を押さえ込んで、ゾロは容赦なく根本まで咥える。
ゾ、ゾロが・・・フェラ・・・
目の前の信じられない光景に気を失いそうになる。
女性にだって(恐れ多くて)してもらったことがない行為を、あのゾロが、躊躇いもせずにしている。
イーストブルーの魔獣が、未来の大剣豪が・・・

ゾロの体温そのままに、熱い舌がサンジ自身を覆い尽くすように舐めまわす。
少し痛いくらいのきつさで吸われて、うっかり昇天しそうになった。
腹の上にある草色の髪を掴んで必死に耐える。
拳骨で何度か殴って、なんとかゾロの顔をこっちに向かせた。
涙が浮かんだ目でもって首を振る。
もう止めろと伝えたいがゾロは益々調子に乗ってきつく吸い上げた。
サンジの喉からきしむような音が長く響いた。
背をしならせて、かくかくと痙攣する。
ゾロの口内に切れ切れに放出して、最後にぶるりと身体を震わせた。
ゾロは喉を鳴らせて飲み込んでから、ぺろりと舌なめずりをして、サンジの顔をじっと見る。

そんなモン、飲むんじゃね―――!!
ゾロの頭頂部に踵を落として、肩口を蹴った。
口で言えない分、やはり暴力に訴えるしかないようだ。
ゾロは壁に後頭部を打ちつけながらも嬉しそうな顔で直ぐに体勢を立て直してサンジの上に乗り上げた。
膝立ちになって自らも下着を下ろす。
とんでもない代物が目の前に突き出された。

あーでもこれ、俺知ってるよ。
あんまり見てねえけど、きつかったよなあ。
ちょっと投げやりな気持ちでそれをしげしげと眺めて、サンジはおずおずと口を開いた。
しゃぶられたことはないが、男のそれを咥えたことはある。
思い出したくもない、チンピラに輪姦された夜だ。
後ろにも散々突っ込まれたが、前の口でも奉仕させられた。
かなりラリッタ状態だったから、涎垂らして嬉しそうに咥えこんだっけ。
切れ切れに残る嫌な記憶を振り払って、サンジは懸命にゾロのモノを舐めた。
これはあいつらみてえな貧租なモンとは違う。
俺が好きなゾロだ。

薄い舌で、たどたどしいながら精一杯舐めたり吸ったりしてみた。
ゾロはサンジの金髪をかき混ぜて大きく息をついた。
「気持ち、いいぜ。」
無骨な指が頬を撫でる。
「てめえ、あったけエ。」
ゾロが喜んでいる。
そう思っただけでひどく気分が高揚した。
顎が外れそうになりながらも、なんとか気合で頬張ってみる。
喉の奥に触れてむせそうになるけど、歯を立てないように耐えた。
ゾロはサンジの両頬を手で挟んで、そっと引き抜く。
濡れた唇を舐めて吸い上げ、そのまま押し倒して片足を上げさせた。
先ほど達したというのに、サンジのそれはまた露をたたえて半勃ちになっている。
ゾロは尿道口をぐりと指の腹で擦って、後孔の周りを揉み始めた。
サンジ口から小さく息が上がる。
少しずつ、周りを解すように何度も擦って揉んで、指を押し付けた。
そうしている間にも空いた手で胸の尖りを摘んで、片方は舌で転がしてくる。
ひくりとサンジの肩が震えて、先走りの露が零れたから、気持ちいいのだとわかった。

ゾロは時間をかけて丹念に奥をほぐした。
なるだけサンジを傷つけないように、辛くないように。
サンジが鼻をすすりながらゾロの首根っこにすがり付いて懇願しても指を緩めなかった。
せつなくて苦しくて、サンジの喉の奥から嗚咽に似た音が漏れはじめた。
頃合かと、先端を後孔に塗りつけて宛がう。
サンジは一瞬息を呑んだが、浅く呼吸を繰り返して力を抜いてみる。
恐る恐るといった感じでめり込ませながら、ゾロは腰を進めた。

サンジの中は思った以上に熱くて狭くて、包み込まれる感触だけで達しそうになる。
ゾロは痛みすら感じるきつさに絶えながら、サンジに意識を集中した。
この感触を身体は知っている。
だが、これよりもっとサンジは辛かった筈だ。
自分の方が痛みを感じるくらいだから、サンジはどれほど苦痛だったろうか。
そんなことを考えると及び腰になるのも無理はない。
本来使うべきでない器官に、無理やり割り入ったのだ。
サンジのトラウマはあまりに深いだろう。
サンジはきつく目を閉じて浅い呼吸を繰り返している。
細い頤が小さく震えて、額に汗が滲んでいた。
それでも精一杯自分を受け入れようとしてくれていると思うと、ゾロは愛しさで胸が詰まる。
大切に、したいと思う。

「全部、入ったぞ。」
耳に口を寄せて囁くと、ホッとしたように表情を変えて赤い唇が笑みを形づくった。
たまらず口付けて、静かに身体をずらす。
「動く、ぞ。」
こくんと頷く仕草を確認して、ゾロはゆっくりと動いてみる。
サンジが辛くないように、傷つけないように。
ともすれば暴発しそうな己を押さえつけて、ゾロは一心不乱に腰を動かした。

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