月の寿ぎ

何故だか懐かしさにとらわれた。


耳を済ませて息を潜める。
闇に目を凝らし、気配を探り、かすかに漂う鉄錆の匂いを頼りに足音を忍ばせた。

突然、奇声を上げて薮から踊り出た影を横殴りに斬り捨てる。

残るは3人―――
ゾロの口元が愉悦に歪んだ。





この島に到着したのは今朝方のこと。
まだ夜も明けきらぬ薄明の空に黒い煙が上がっていた。
海賊が襲来したのだと言う。
上陸ついでに逃げ惑う人々を介抱してよくよく話を聞けば、
どうやら昨夜返り討ちにした海賊船がこの島に漂着したらしい。
手負いの海賊共に襲われた村はほぼ壊滅状態に陥っていた。

チョッパーは忙しく立ち働き、サンジは黙々と食事を作っている。
それを手伝いながらウソップが溜息をついた。
「元はと言えば、俺らが撒いた種だが・・・」
救いを求めるような視線に、ナミは首を振ってそれをいなす。
「私たちは正義の味方じゃないわ。ましてや、私たちも海賊よ。」
立場はわきまえなければならない。
それでも――――

「今、ゾロが追ってる。」
ルフィはただ腕を組んで窓の外を見た。

麦藁海賊団が総力を挙げて叩き潰す筋合いはない。
だから、ゾロが行った。




倒れた男の服で血糊を拭い、ゾロは再び歩き始めた。
上陸した海賊共は全部で23人。
死体は20体。
残るは3人―――

夜の帳が下りて、ひと気のない森の中は獣の気配すら感じさせない。
どんな変化も見逃さず、神経を尖らせて獲物に集中する。
これは狩りだ。
ほんの少し前、まだルフィ達と出会う前に過ごした日々が思い起こされる。

賞金首に狙いを定めて狩り続けた日々。
追い詰めた末に返り討ちに合い、油断の怖さも知った。
一人で闇を走ることに慣れ、どんな非力な相手であろうと、息の根を止めるときに手を抜いては
いけないことも学んだ筈だ。

――――俺の甘さか。

ルフィと出会い、GM号に乗り込んで仲間を得てから、確かに自分は変わったと思う。
孤独を手放し自由を失い、信頼を覚え守る力を得た。
ゾロにとってGM号での航海は強くなる為のステップでしかない。
より多くの敵と戦い腕を磨き、いつか世界一の称号を勝ち取るまで、必要であれば共に旅する一時の仲間。
だから、本来過酷な筈の航海の中にあってまるで家族のような絆がぬくもりのある彼らから、
ゾロは常に一歩引こうと意識している。

海賊であることは己の意志ではない。
強い絆で結ばれた仲間を得ることもまた、望んだことではない。
求めるは強さのみ。
それを違えては、目指す道を誤ってしまう。
だからこうして・・・時には、すべてを忘れて狩りをする必要があるのだ。
麦藁の一味でも海賊狩りでもない、一匹の獣として――――
無心に殺戮を繰り返し、肉を切り裂く感触をこの手に刻みつけて。



甲高い、子供の泣き声がした。
視界の端に、ゆらめく男の影が見える。
「ち・・・近づくな。近づいたらこの子供・・・」
言い終わる前に、ぼとりとその腕が落ちた。
ひと呼吸置いて、血飛沫が上がる。

「うぎゃああっ」
崩れ転げる男と共に地面に投げ出された子供が泣き喚き、母親らしき女が髪を振り乱して駆け寄り抱きしめた。
「うああ、いてえっ、いてえよお・・・」
隣の子供に負けないくらい大声で泣き喚いて、男が腕を抑えて蹲る。
ゾロは刀を携えたままゆっくりと歩み寄った。
「ああー・・・俺の腕が、腕が切れちまった。もう、ねえじゃねえか・・・もうダメだ。助けてくれよお。」
涙と鼻水と涎まで豪快に流して、命乞いをする。
「腕え無くして、どうして闘える?もうダメだ。おしまいだ。見逃してくれよお。」
額を擦りつけて懇願する男の願いは生き延びること。
この生への執着が、力となることをゾロは知っている。
懐に入ったもう片方の手が銃を握っていることも。

突っ伏して号泣する男の襟足に煌めく刃を叩き込んだ。
蛙がひしゃげるような音を立てて、首が転がる。
子供を抱いた女が金切り声をあげて、逃げて行った。

あと、2人――――
無意識に、ゾロの口元が笑っている。






振り向いたゾロは迷いなく樹々の中に佇む古びた山小屋に向かった。
使われなくなって久しい、半分崩れ落ちた扉に手を掛ける前に、錆びた斧が振り下ろされる。
それを紙一重で交わして小屋ごと斬った。
短い悲鳴が上がる。
柄の折れた斧を掴んで震える女の背には、でかい図体の男が張り付いていた。

「ち、かづくんじゃないよっ、この人には、指一本触れさせやしないからっ」
男の情婦なのだろう。
長い髪を振り乱して、気丈にもゾロを睨みつけている。
「殺すんなら、あたしからやりな。さあっ」
膝立ちして胸を反らした。
だがゾロに女を斬る気はない。
「早くおしよ!あたしが女だから甘く見てんのかい?馬鹿にすんじゃないよ!」
赤い唇が挑発に歪んでいる。
小賢しい物言いに眉を顰めたゾロに向かって、刃が煌めいた。

女の横腹から血飛沫と共に現れた剣は、だがとっさに身を交わしたゾロに届くことなく、
正確に振り下ろされた刀に男の首だけが刎ねられる。
ゆっくりと倒れ付す男の身体と共に、女もまた貫かれたまま仰向けに崩れた。

それでも、まだ信じられないといった風に目を見開いて、自分の腹から生えた刀に手を当てる。
震える指がいくつか切れて血に塗れながらも、女は嗚咽を漏らした。

「許…さない。…ロロノア・ゾロ・・・この恨み・・・」
女は愛しい男の血の海の中で身悶えた。
「この恨み、いつか・・・」
ごぼりと血の泡を吐いて、女は絶命した。

見開いた瞳はゾロを見据えたまた、色を無くしていく。


鼻の頭に皺を寄せ、つまらなそうに踵を返したゾロは、まだ血に濡れた刀を眼前に翳して眉間を狙った弾を切った。
上陸した海賊は男が23人だ。
そして、数十m離れた梢で銃を構えた男が、乾いた発砲音と共に地上へと落ちて行った。

背後から革靴の足音が近付いてくる。
「俺の獲物だぞ。」
振り向きもせず、ゾロは怒気を孕んだ声で唸る。
「ゆっくり遊んでる暇はねーんだよ。村は粗方落ち着いた。とっととずらかるぞ。」
煙草を咥えたまま足元の死体に気付いたサンジは、ため息をついて肩を落とした。
「ああー…美しいお姉さまが、勿体ねえ。」
どす黒く染まった地面に腰を落として白い手を女の額に当てる。
そっと瞼を撫でて恨みに満ちた目を閉じさせた。

「んじゃ行くぞ。俺が迎えに来なきゃ戻って来れねえだろ、大剣豪。」
煙草を咥え直し、昇りきった朝日に髪を煌かせて振り向くサンジは、光の使者のように眩い。
対する自分は全身に返り血を浴びたまま、まだ背に闇を引き摺っている。

「船に乗る前に海でひと泳ぎしてきやがれ。」
サンジはどこまでも、快活に笑う。





「上陸したついでに買い出ししたかったんですが・・・有り合わせてごめんね。」
ナミやロビンに申し訳なさそうにそう言いながら、サンジはテーブルに料理を並べた。
どれもがえらく豪勢だ。
「仕方ないわよ。お酒だけは手に入ったんでしょ。」
「ええ、食事のお礼にと、蔵の中から秘蔵品を頂いてきました。」
にっこり笑って一升瓶を掲げて見せて、ゾロの目の前にドンと置く。
とっとと食事を済ませて寝てしまいたかったゾロは、それでも面倒臭そうに片目だけ開けてそれを確認した。
「ゾロにはそれが一番嬉しいかもよ。せっかくの誕生日ですもの。」
ナミの言葉にああ?と身体を起こす。
「今日はゾロの誕生日だな。おめでとう!」
「おめでとう。」
テーブルを囲んで皆にこやかに祝福の言葉を掛ける。
ぽかんと口を開けたまま固まったゾロの態度は、驚いて照れてるのだなと勝手に解釈された。

「んじゃ歌うぞ。ハッピーバースディ〜♪」
ルフィの号令と共に合唱までされて、和やかに食事が始まった。

そう言えばクルーの誕生日はしっかりチェックされていて、誕生日が不明な者も強引に設定されて全員で祝う慣わしになっている。
ゾロも今までのクルーの誕生日には、一緒になって声を掛けたものだ。
だが今日は―――

めでたいめでたいと談笑する仲間たちの間で、ゾロは釈然としない違和感を噛み締めていた。



足しない食材を工夫して、恐らく心尽くしの料理だったのだろう夕食をすべて平らげて、
なおかつ煌々と輝く月を肴に甲板に出て酒盛りが続く。
はしゃぐルフィやウソップ達から距離を取ってゾロは船縁にもたれて一人杯を空けていた。

めでたいとルフィが言った。
おめでとうとチョッパーが笑う。
ときおり弾けるように上がる笑い声が耳につく。

ゾロは酒を汲む手を止めて、じっと掌に見入った。
あれからサンジに言われたとおり海に入り、なおかつ船内でシャワーを浴びて身体中の返り血はすべて洗い流した。
匂いも、そう気にならない。
それでも・・・
今日、つい先刻までいた島で、自分は23人斬って来た。
巻き込まれた女を換算に入れるなら、24人死に至らしめたことになる。

島を立ち去るクルー達について村を後にした時、小さな子供が血塗れのゾロに駆け寄り恐れもせずにその手を握った。
「父ちゃんの仇を討ってくれて、ありがとう。」
真っ直ぐ見上げた少年の瞳を、だがゾロは見返すことが出来なかった。
仇を討ったわけじゃない。
俺はただ――――斬りたかっただけだ。


人を傷つける目的でしか存在しない剣の道を極める以上、後に残るのは屍だけだ。
それが己の目指す強さであるなら、血に汚れることも恨みを買うことも厭わない。
ただ求めるは強さのみ―――――

ゾロは凝視していた肉厚の掌をぎゅっと握った。
ゴツゴツとしたタコだらけのこの手で、一体いくつの命を奪ってきたのか。
そしてこれから、いくつの屍を越えて行くのか――――
進む先に恐れはない。
だがこの船に乗って仲間を得た日から、拭い切れない小さな違和感。
海賊でありながら冒険心だけを胸に無心に生きる船長を先頭に、年若い仲間達がそれぞれの夢を目指して
航海を続けている。
その中にはチョッパーやサンジのように救いの手を持つものすらいる。
それなのに俺は――――
修羅の道を目指しながら、その生を祝われるのか。

ゾロが産まれ生きることは、またその敵となる者を殺めることに他ならない。
それでも、俺が産まれた事を、めでたいと祝うのだろうか。



不意に、見つめる手元に影が過ぎった。
コックが、猫のような身のこなしで船縁に腰掛ける。
「なーに誕生日にシケた面してんだ大剣豪。」
揶揄の言葉に、ゾロは沈黙を返した。
気がつけば、あれほど騒いでいたルフィ達も姿を消している。
「お子ちゃまたちはもう部屋帰ったぞ。レディもしかり。せっかくだから俺が酒盛りに付き合ってやるよ。」
そう言いながら突き出された空のグラスに、ゾロは渋々酒を注ぐ。
「いー月夜だねえ。こんな夜に満月たあ、お天道様もてめえを祝福してるみてえじゃねえか。」

「・・・本気で思ってんのか。」
つい、言葉が口をついて出てしまった。
サンジが訝しげにゾロを見る。

「てめえは本気で、俺が生まれてめでてえと、思ってやがんのか。」
サンジは黙ってじいっとゾロの顔を見つめた。
煙草を咥えていない口端が、引き上げられる。
「てめーはめでてえと思ってねえみてえだな。腹巻マン。」
ゾロは黙って杯を空けた。
その横顔を一人で頷きながら眺めて、サンジはゾロの隣に腰を下ろす。
「まあ確かにてめえは、その存在自体が災厄みてえなもんだ。世界一を目指す、剣の道を極めるなんてほざいても、所詮人殺しは人殺し。てめえが生まれてきたお陰で、命を落とす羽目になる野郎が五万といるわな。」
サンジの声に嘲りの色が浮かぶ。
「てめえの生き様なんざ、てめえが一番知ってっだろが。それで何か。これを機会に悔い改めるか。頭でも丸めて坊主にでもなるか、ならねえだろ。」
絡むサンジの言葉一つ一つが気に障る。
「俺は知ってる。ルフィも知ってる。だから今日の始末はてめえに任せたんじゃねえか。楽しかったか。思う存分斬れて…」
それ以上、言うなと言葉に出す代わりにサンジの胸倉を掴んで床に引き倒した。
ウェイトのない身体は勢いで跳ねて叩きつけられる。

「…ってー…」
顔を顰めるサンジの上に跨ってゾロはそのシャツを引きちぎった。

「人の服破っちゃいけませんって何度言ったらわかんだよ。」
面倒臭そうに呟いて、サンジは両腕を投げ出した。
無抵抗な素振りが余計ゾロの苛立ちを煽る。
何度見ても見慣れない曝した首筋の白さに目を奪われながら、ゾロはそこに舌を這わせ歯を立てた。
「噛むなっつうの、狂犬並みだなてめえは。いや狂虎か?」
サンジが話す度に声帯の震えがゾロの唇に直に伝わる。
「てめえはいつだって血に飢えてる。そうでなきゃ剣士として世界一を目指すなんてトチ狂った目標掲げて生きていかねえわな。強くなるなんて奇麗事並べても、所詮人を傷つけてのし上がるだけのことだ。認めてるだけ、たいしたもんだよ。」
く・・・と喉を震わせて笑って、サンジは両手でゾロの頬を挟みこんだ。
「てめえがどこまで狂うか見届けてやる。血に塗れたその手で斬りまくれ。てめえが求めるモノはその先にしかねえ。」
笑いに歪む唇の間から、ピンク色の舌が覗いている。
揺らめくそれを噛み千切って飲み込みたくて仕方がない。
本気でそんな衝動に駆られる自分をどこか冷静に見詰めながら、ゾロはサンジに歯を剥いて見せた。

「・・・てめえは、俺が―――怖かねえのか。」
「は?なんで?」
頭の先から出たような声で、サンジが嘲る。
「てめえごときに俺がビビるか。ふざけたことぬかしてんじゃねえぞ。」
だがいつも―――
サンジの身体はゾロの下にある。
組み伏せられて、服を乱されて、曝された首や腹部はあまりに無防備だ。
その歯や爪が、時には刃が、いつそこに突き立てられるとも知れないのに。

ゾロは反らされた白い首に手を掛けた。
自分と比べてあまりに細い。
恐らく片手で簡単に捻り殺せる。
少し力を込めれば、見る見るうちにサンジの白い頬が朱に染まった。

「あ・・・そぶな、落ちっだろ・・・」
それでも、ゾロの肩にかかるサンジの腕は抵抗を示さない。
さすがに苦しそうに目を伏せる。
だがゾロは手を緩めず、その頬を舐め耳朶を噛んだ。
鎖骨を齧り肩口にきつく吸い付いて、薄い脇腹を撫で爪を立てる。
漸く力を抜いた指で赤く染まった頬を撫でた。
サンジはひゅうと不自然な音を立てて息を吸い込んで、寝転がったまま咳き込んだ。
金糸の間から覗く紅い指跡に酷く興奮する。
もっと噛んで傷つけて爪を立てて、この白い身体に己を刻み付けたい。

へこんだ腹部を辿り、繁みから手を差し込んだ。
張り詰めたそこを確かめ、さらに奥を探る。
乳首を舌で転がしながら、窄まった部分に指を突き入れた。
サンジは膝を立てて腰を浮かす。
さらに奥に進んで強引に指を捻じ込めば、は・・・は、と短く息を吐きながら、それでもサンジは抵抗しない。
ゾロの首に腕を回し、肩に縋るように手を掛けて空を見上げている。

急所を曝して、内部を抉られてどうして恐怖を感じないのか。
ゾロ自身、ともすれば必要以上に傷つけたくなるのだ。
白い喉笛を噛み切って、熱くしぶく血潮を啜りたいとさえ思うのに――
サンジは逃げない。
怯えない。
強がりでもはったりでもなく、その身を曝す。
どれだけ乱暴に抱いて貶めても、その毅然とした瞳は色を失うことはない。

この強さは、どこから来るのか―――
ゾロには理解し得ないところで、サンジが笑っている。
その強さの正体を見極めたくて、ただ求めて組み伏せて暴くのに、捉えることが出来ない。

「くそっ・・・」
月明かりに浮かぶ裸身を抱え上げ、己の昂ぶりを突き入れた。
細すぎる腰を掴んで何度も突き入れる。
壊れた玩具みたいに揺さぶられながら、それでも乱れた前髪から覗く口元には笑みが浮かんでいる。
内側から灼熱の塊で食い荒らされても、すべてを受け入れる強さが信じられない。
サンジの声が、熱が、その指がゾロを包み、底知れぬ快楽と焦燥感に身を焦がしながら、ゾロはただ貪欲に
欲望を貪りつづけた。






心地良く繰り返す波の音を聞きながら、サンジはゆるゆると身体を起こした。
指一本動かすのさえ億劫だ。

「・・・単細胞め」
忌々しげに呟いて、シャツのポケットから煙草を取り出すと火をつけた。
ふうと吐き出して顔を顰める。
隣で大の字に寝転がって寝息を立てる男の顔を見下ろした。
眠る姿は太平楽だ。
そうして殺戮と安らぎを繰り返し、前にだけ目を向けて生きて行けばいい。
てめえの綺麗な背中って奴を俺はずっと見届けてやる。

ゾロの先刻の台詞を思い出して、思わず笑みを零した。

―――俺が強いって?
俺の強さの源が何か、わからねえのか。


「てめえらしいよな。」
くっくと喉の奥で笑って、サンジはグラスを手に掲げた。
まだ底に残っていた酒を月に翳す。

俺の強さをなんと呼ぶか、てめえで考えればいい。
何度だって示してやれる。
てめえで考えて足掻いて暴いて――――
いつか、答えを見つければいい。


サンジは目を細めて月を眺めると、軽くグラスを上げて飲み干した。


例えこの世のすべてを敵に回しても――――

「俺だけは年に一度、この日この夜…てめえの生誕を祝うぜ。愛しの大剣豪」


雲ひとつない夜空の下で、サンジの口から紡がれる睦言を、月だけが聞いていた。

END

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