無自覚な恋の行方 -2-



その日の夕方、折りよくエレファントホンマグロとまではいかなくとも大物の魚が次々と釣れて、急遽サンジの誕生パーティが開かれた。
新しい船での初めての宴会とあって、浮かれ気分延長で盛大などんちゃん騒ぎとなった。
主役であるはずのサンジは給仕に補充にてんてこ舞いで、ひと時もじっとしておれず、宴会の舞台となる芝生とキッチンを往復している。

「おい、お前ちょっと座れ」
空いた皿を運ぼうと盆を手にして立ち上がったら、フランキーに腕を掴まれた。
そのまま引き寄せられて膝の上に尻餅をつく。
「主役が働いてどうする。まあ飲め」
「ダバダバ零すんじゃねえよ」
フランキーの乱暴な酌を受けて、サンジもようやく腰を落ち着けた。
と言ってもフランキーの膝の上だが、そのことに気付かない程度にサンジにも酔いが回っている。

「ったく、この船はいい船だぜ。揃いも揃って腕の確かな奴が乗り合わせてる。無論、スーパーな俺様も含めてだが!」
「おう、そうだな」
サンジはフランキーの上で胡坐をかいて破顔した。
「俺様もコックとしちゃあスーパーな腕前だろ。コーラばっか飲んでねえで、特製ドリンクもなかなかキただろうが」
「おうよ、飯が美味いのがこれほどありがてえとは、俺も思っちゃいなかった。まだ旅は始まったばかりだが、長い航海になればなるほど、あんたのありがたさが身に沁みるんだろうなあ」
フランキーはずっと陸で暮らしてきて、傍若無人に振舞うままに大人になった。
だが子ども特有のピュアな素直さをそのままに保っている部分があって、それが大人の余裕も併せ持った嫌味のない人格を形成している。
一度打ち解けてしまえば、これほど頼もしく付き合いやすいタイプはない。
そういう意味でも、サンジはクルーの中で誰よりも早くフランキーと仲良くなった。
元々大人に囲まれて育ったサンジは年上のフランキーと話しやすいし、そもそもサンジには遺恨という感情がない。
ゾロに“鳥頭”と揶揄される所以だが、かつて敵だったりうっかり殺されそうになったりしても、そのことを根に持たないから多少胡散臭い人物でもすぐに受け入れてしまう。
この辺り、船長も同類なのだが。

「んでよう、てめえの腕はどうなってんだって?」
「バカ野郎、無闇に触ると火傷すんぜ」
いい感じに酔っ払ったサンジがフランキーの腕にしがみ付くように両手を回したら、後ろから腰を捕まれれた。
ふわっと身体が浮いたと思ったらまた硬いところに尻餅をつく。
「・・・あん?」
振り向けば、芝生より色の濃い緑頭。
「んだってんだ、ちと待てお前・・・」
ゾロの膝の上に移動したのだと気付いて、サンジは慌てて腰を浮かした。
が、ゾロはがっつりベルトを掴んで、もう片方の手で勝手にサンジのグラスに酒を注ぎ足そうとする。
「待て待て待て。おかしーだろうが、この構図はよ」
「何がおかしい。フランキーの上から俺の上に移動しただけだろうが」
「ええ?っつうか、なに?」
サンジ的には大混乱だ。
何より愛しい女性達にこの醜態を目撃されてはと慌てて周囲を見回したら、ナミもロビンもデッキチェアに寝そべってなにやら楽しげに話している。
ちょっとだけほっとして、改めて目線よりやや下にある緑頭を空き瓶でどついた。
「この恥知らず、公衆の面前で何しやがる」
「うるせえ、誰も気にしちゃいねえからじっとしてろ」
サンジの腹に手を回し、片手で抱き込むようにして酒を呷っている。
気にするも何も、目の前で飲んでいるフランキーは目が点になっているが、なるほどすぐ横にいるウソップやチョッパーたちはルフィの芸に夢中でこちらを見ていない。

「いや、だってよ・・・」
もう一度後方のナミ達を確認しようと首を捻ったサンジのうなじに、ゾロがかぷりと噛み付いた。
声にならぬ叫びをあげて、ゾロの腕の中で痩躯を跳ねさせる。
「やややややめろって、ななななななにをっ」
今までは誰も見ていないところで嫌がらせして来たのに、とうとう場所を弁えなくなったのか。
動転したサンジは助けを求めるようにフランキーに手を伸ばした。
真っ赤になって宙をかくサンジに、フランキーは腕組みしたまま首を捻る。
「・・・つまり、俺にもう一部屋作れってか?」
「ほんとに察しがいいなあんたは」
平然と答えるゾロに、唖然とするサンジ。
「まあ、こいつへのプレゼントだと思って腕を奮っちゃくれねえか」
「お安い御用だ。そんくらい、朝飯前だ」
「恩にきる」
そういうと、ゾロはサンジを片手に抱えたまま立ち上がった。

「取り敢えず、倉庫に行くからな」
「おう、一応船長には断っとかなくていいのか」
「ああ、どうせみんな了解済みだ」
「いい?」
フランキーより驚いたのはサンジだった。
ゾロに担がれ傾いた景色の中で、クルー達はこの騒動にもまるで気付かないかのように和やかに飲み食べ、話をしている。
「・・・まさか」
ゾロが歩く度に視界が揺れる。
フランキーは立ち上がり、ナミとロビンの側に行って腰を下ろした。
軽くグラスを合わせて乾杯する姿を最後に、また景色が反転する。






「ううう・・・あんまりだ・・・」
「泣くな、酔っ払い」
「畜生〜〜〜まさか、こんな形でこんなところに連れ込まれるなんて・・・」
「しばらくの辛抱だ。もうすぐフランキーがいい部屋作ってくれっだろ」
「だから、それが問題なんだってんだ!」
うきーとキレて怒鳴りつけるが、またその場でよよと泣き崩れる。

「こんなこんな、これからいかにもやりますよーなんてモロわかりな行動取りやがって・・・」
連れ込まれた倉庫は、灯りをつけなければそこそこ薄暗いが、なんせ新品なので木のいい匂いがしてなんだか快適だ。
「なんかここいいな。別に部屋作らなくてもいいか」
「うっせえ、そもそもそんな部屋頼むんじゃねえっ」
再び噛み付いたら、どんと床に突き倒された。
つるピカの床に後頭部を打って、うおおおおと色気のない声で呻く。
「この、乱暴モノ」
「やっぱ毛布の1枚くらい常備しといた方がいいだろうが」
しれっと言い放ち、ゾロはサンジの両肩に腕をついて身体を屈めた。
至近距離で目を合わせ、じっと見つめる。
「・・・な、んだよ・・・」
鼻付き合わせるほど近い距離でメンチを切ったことならあるが、今日のゾロはそれとは違う。
吐息を肌で感じてしまって、サンジは床に寝そべったままふるりと頤を震わせた。
―――やべー・・・
なんせここんとこご無沙汰だったし、酔いが回っているしゾロと二人きりだしで、理性のブレーキが効きそうにない。
ゾロも同じ状態なのだろう、見つめる瞳が凶悪な色を帯びている。
視線だけで殺されそうだ。
ずん、と腹の底で感じてしまって、サンジは思わず両手で顔を覆った。
「・・・なんだんだよ、てめえは・・・」
「やるぞ」
「一々言うな、クソっ」

手早くボタンを外されて、シャツが肌蹴られる。
手馴れた仕種なのに性急さが感じられて、ゾロもまた平静ではいられないのだと思うとちょっと溜飲が下がった。
なんだかもう、いっぱいいっぱいなのだ。
新しい船で、仲間達に悟られながら、隠れて擦るセックスなんて、スリルがあるんだか恥ずかしいんだか情けないんだか、わかりゃしない。
ともかくメチャクチャだけど、今はとにかく早くしたい。
ゾロと。

サンジは開き直って、ゾロのシャツをたくし上げた。
いつも自分ばかりあれこれ脱がされ弄くられるのだ。
ゾロもたまには直接肌を合わせたっていいじゃねえか。
サンジが不器用にシャツを引っ張るので、ゾロは一旦身体を起こすと勢いよくシャツを脱ぎ捨てた。
逞しい胸と腹筋が露わになって、不覚にもしばし見惚れてしまう。

再び延ばされた腕がサンジの肩を抱いた。
それに答えるようにゾロの首に腕を回して自分から口付ける。
ゾロの匂いが鼻腔を掠めて、絡める舌の熱さに酔い痴れた。
―――ああ、ゾロだ・・・
若い精を発散する為だけの相手だったはずなのに、気付けばこんなにもゾロを求めていた。
触れられ、キスされるだけで求められていると気持ちは満たされたけれど、やはり押さえ切れない熱がマグマのように湧き上がる。

「・・・やっぱ、足らねえな」
ゾロも同じことを思ったのだろうか。
不満そうに顔を顰めて、怒った表情であちこちに唇を落としては、忙しなく愛撫を施す。
「がっつくなよ」
「てめえだ、馬鹿」
罵りあう声すら甘い。
下着ごとズボンをずり下げられて、片足を持ち上げられた。
暗い部屋の中で、そこだけぼうと白く浮き出る足が、自分の物ながら艶かしく映った。
「毛布以外に油もいるな」
股座に顔を突っ込んでくぐもった声でそういわれると、快楽より羞恥の方が勝ってサンジはかかとで緑の後頭部を蹴った。
「馬鹿言って・・・ん」
ゾロの舌が敏感な部分をなぞり、潤おしていく。
これ以上何か言ったらすべてが喘ぎに変わってしまいそうで、サンジは脱ぎ散らかしたシャツを噛んで声を殺した。
無意識に腰が浮いて、ゾロの動きを助けてしまう。
「これ・・・使え」
足掻くように手をかいて、投げ出された上着のポケットから潤滑油を取り出した。
受け取ったゾロが、片眉を上げて見せる。
「やけに乗り気だな」
「・・・」
心中で毒づくも声にはならない。
ゾロの指の進入すらいつもより容易く感じて、余計気恥ずかしかった。

「可愛いモンおっ勃てやがって。そんなに俺に弄られんのが好きか」
「うっせ・・・バ、カ・・・」
ゾロに解される内壁の蠢きが、言葉より素直に肯定しているようで、サンジはたまらずシャツで顔を覆った。
すでに硬く張り詰めたサンジ自身に丁寧に愛撫を施しながら、ゾロの指は深く内部に入り込んでいく。
「・・・も、い・・・」
「まだ、キツいぞ」
「いっから・・・」
もどかしくて切なくて、どうにかなってしまいそうだ。
ゾロはサンジの顔の上でくしゃくしゃになったシャツをどけると、噛み付くように口付けた。
キスを深めながらツンと固く立ち上がった胸の尖りを乱暴に指で捏ねる。
「・・・ふ、ふ・・・」
「あー、こっちも弄くってやりてえ・・・畜生」
あれこれとやりたいことがありすぎて、いつだってサンジの身体の前ではゾロは必死になってしまう。
一々赤く染まる白い肌が悪い。
誘うように濡れて光る唇が妖しい。

「ん、ふ・・・」
サンジが手を伸ばして、いきり立ったゾロ自身を導いた。
開かれた白い太股の間に、慎重に身を沈める。
「あち・・・」
挿れる時は、いつだって灼熱の痛みだ。
けれど今日は、それ以上に自分自身がドロドロに溶けてゾロを飲み込んでしまいそうで。
「てめ、すげ・・・」
ゾロの感嘆の声に余計熱が高まって、サンジは長い足をゾロの背中に絡めた。








「んは、あ・・・」
ぐ、ぐと律動を繰り返す度に、より深い部分への刺激を求めてほどけていく。
もはや快楽しか感じられない。
自ら腰を揺すって貪欲に求めながら、サンジはゾロの頭を掻き抱いて口付けを繰り返した。
ゾロは膝立ちになったまま、サンジの背中に腕を回し軽く抱き上げて中腰で挿迭を繰り返している。
夢中になっている間は気付かないが、床でじかにSEXするとサンジの背中には若干の傷と打撲が残る。
そのことを気遣っているのだろう。
その余裕が癪で、サンジはゾロの固い筋肉に噛み付いた。
「余計なこと、すんな・・・ってん、だ」
それよりもっと、もっと深く―――
「だから毛布、いるだろ・・・が」
ゾロも小さく怒鳴り返して、繋がったままサンジの身体を反転させた。
ぐるんとひっくり返る視界と共に、あらぬ方向に受ける刺激に思わず達しそうになって、サンジは床に爪を立てて低く呻いた。
「ちゃんと、踏ん張ってろ」
四つん這いにさせて後ろから激しく腰を振った。
サンジが好きな角度はもう知っている。
そこばかりを集中して乱暴についてやれば、歓喜の声を上げるように内部が収縮してゾロに絡みついてくる。
「ああ、はっ・・・はうっ・・・」
声が漏れないように必死で口を開けて喘ぐのに、荒い息さえ淫らに響いてサンジをより追い詰めた。
「ああ、イく・・・イっちゃ・・・う」
「く、中で出すぞっ」
「うあ、中・・・中、で―――」
ああ・・・と切ない呻きと共に、サンジは床に白濁の液を迸らせた。





「ふ、う・・・」
ゾロの動きがゆっくりとなり、擦り付けるように腰を揺らめかせた後、そっと抜いた。
とろりと内股を温かいものが滴るのがわかって、サンジは羞恥に顔を歪める。
「どんだけ出したんだ、馬鹿・・・」
「悪ぃ」
サンジの白い尻を撫でて悪戯に歯を立てる。
慌てて身体を起こせばまた内部から何かが漏れて、サンジは身体を丸めて足先だけでゾロを蹴った。
「クソクソクソ、この馬鹿野郎っ・・・スケベマリモっ」
「スケベなのはてめえにだけだ」
くしゃくしゃに乱れた前髪の下で、へ?と青い瞳が丸くなる。
「嘘付け、てめえなんか・・・」
言い掛けて、ぐっと口を噤んだ。
なんだ?とゾロは両腕をサンジの腰に回して引き寄せる。
「・・・って、てめえなんて・・・欲求不満なだけだろが」
消え入りそうに小さな声で呟くのをしっかり聞き取って、ふむと頷いた。
「おう欲求不満だ。この船に乗ってからやれねえから、えらい溜まってた」
「溜まってたならなんで・・・」
やらなかったんだと、聞くのは女々しい気がして黙る。
「落ち着いてできねえだろうが。別にオレはいいんだが、てめえ後で色々うるさそうだし・・・」
「もうすでに取り返し付かねえぞ。結局みんなにバレちまって・・・」
「そりゃ今さらだ」
話しながらゾロは両手でムニムニとサンジの尻を揉むから、つい膝の上でもじもじと腰を揺らしてしまう。
「今更って・・・大体、こんなことを、だな・・・」
「別に俺はやっちまってもいいが、てめえは嫌だろ。入ってる時に誰かと出くわしたりとか」
「嫌とかそういう、次元じゃねえ・・・・」
想像しただけで寒いものが走る。

「俺としちゃ、さっさと突っ込んで擦って出せりゃとも思ったんだがな」
わかってはいたことだが、こう平然と言い切られるとサンジの胸はつくんと痛んだ。
「てめえに触れたら、それだけで真っ赤になりやがって・・・あれは、キた」
そんなことを言いながら、ゾロの指がサンジの中につぷりと入る。
濡れて解れたそこは難なく受け入れて、湿った温もりを伴って奥へと誘うように蠢いた。

「だからよ、こうして突っ込まなくても、てめえが俺に触られたりするだけで赤くなったりうろたえたり、そういうのが割りとよくてな」
「は・・・なに、が・・・」
ゾロの指が増やされて、グチグチといやらしく動く。
サンジは腰を浮かしながらも無意識に揺らして、また兆し始めたものをゾロの腹にこすりつけた。
「だからよ、そういう乱れたてめえもいいけどよ。なんつーか、とにかくうろたえて怒ったようなそれでいて泣きそうな、そういうてめえの顔がたまんなくてよ」
紅色に染まった耳朶を噛みながらゾロは熱い吐息と共に囁いた。
「したら、突っ込まなくても我慢できた。てめえに触れるだけで」
「・・・あ―――」
「てめえが俺にだけ反応してると、分かっただけで満足だったんだが」
ゾロはサンジの双丘を掴むと軽く持ち上げて、すでにそそり立つ股間にゆっくりと下ろす。
「・・・・あ、あ、あ」
「やっぱダメだな。てめえの全部が、欲しい・・・」
「んああ、ああ―――」
串刺すように貫かれて、サンジは膝立ちになって上下に揺れた。
ゾロの手はしっかりとサンジの腰を抱いて、無遠慮に揺さ振ってくる。
「だって、てめ・・・どうせ身体だ、け・・・」
「いい加減、わかれ馬鹿」
突き上げられる快感に背を撓らせ、反らした胸の飾りをゾロの口元に押し付けて愛撫を強請る。
「んあ、いい―――。もっと、もっとお・・・」
「くそ、こんの野郎―――」
ゾロは青筋立ててガシガシと腰を振った。
もしも前のメリーだったら、まるで大波に揺れているかと錯覚するような、激しい振動だった。











久しぶりに心地良い倦怠感を伴って目が覚めた。
身体のあちこちが軋むように痛いが、気分は悪くない。
隣には、全裸のまま寝こけている緑頭。
思わず蹴りたい衝動に駆られたが、後が面倒なので我慢した。
その代わり、脱いだシャツを股間に申し訳程度に覆い被せて、自分は素早く服を身につける。

まだ夜明け前だから、ゆっくりと風呂に入ろう。
ゾロの匂いなんか綺麗さっぱり洗い流して、何事もなかったように朝食を作って起きて来るみんなを迎えよう。
その前に、甲板の後片付けはどうだろうか。
考え出したらやることがいっぱいありすぎて、悩んでいる暇なんてない。

いい加減わかれ、とゾロは言った。
それを言うなら、きっとずっと前からわかってた。
けれど、ゾロがあんまり愛しげに触れてきたり抱き締めたりキスしたりするから。
それだけで満足そうに笑うから。
それでいて、フランキーと親しげに話をするだけで射殺しそうな凶悪な目で睨み付けて。
もしかして、俺のこと好きなんじゃないかとか、もしかしてヤキモチ焼いてんじゃねえかとか、自分に都合のいいようにしか感じ取れなくて、それは間違いだろうって思い込むしかなかったんだ。
もし違ってたら、その倍俺が傷付くじゃねーか。

―――こんなに、好きなんだから。





まだ薄暗い空を見ながら一服した。
甲板は想像していたような惨状ではなくて、キッチンに詰まれた皿も想定内のことだ。
「おめでとう」とか「やったね」とか、やたらと書き記した紙が散らばってるのは気になるけれど。

サンジは手早くキッチンを片付けて朝食の支度を始めた。
気がつけば鼻歌など歌っていたりして、やけに機嫌の良い自分に気付いて一人で赤面したりする。
もう数時間したら、また賑やかなラウンジになる。
昨夜のことはみんな気付かない振りをして、いつものように騒がしい食卓で、賑やかな一日で。
ルフィ達は大騒ぎで釣りをして、ナミさん達は優雅に本を読みながら嵐が来ないか天候に目を光らせて、フランキーは新しい部屋作りに腕を奮う。



なんてことない、変わりのない日々。


そん中で俺達は、ほんの少し自惚れて、そろそろ自覚してもいいんだろう。
セフレから恋人に、昇格したって。

もしかしたら、最初から――――?






END



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