妄想天使  -12-



とりあえず落ち着かせる目的で力いっぱい抱きしめたら、驚いたのか硬直したのかは知らないがなんとか大人しくなった。
肩を抱いたまま少し身体を離し、身を屈めて顔を覗き込む。
サンジは悔しげに唇を噛み締めていたが、伏目がちな目元は桜色に染まっていた。
金色の睫毛がふるふると震えて、彼の心許なさを口より雄弁に語っている。

「うし、わかった」
ゾロは力強く肩を叩き、それからジェスチャーで付いて来いと促す。
『あんだよ、えらそうに!』
そう言い返しているのだろう。
言葉は通じなくとも気概は伝わるが、睨み返す目が潤んでいて迫力に欠けた。
と言うか、別のものが煽られて大変にけしからん表情だ。
「もういい、俺もらしくねえ自制とかすんの止めた。お前みてえなん放っといたら危なっかしくてかなわん」
先に立って早足で歩きながら、ゾロはサンジに伝えると言うより自分自身に言い聞かせるように声に出して呟く。
タクシーに乗り込むと、スマホを取り出してオフィスに掛けた。
「悪いが、外で打ち合わせしてそのまま直帰する、急ぐ決裁は任せた」
そんないい加減なーと悲鳴のような声を無視して通話を切り、ポケットに突っ込んで後部座席に凭れ掛かる。
隣に座ったサンジが何か言った。
『どこ行くんだよ』
「俺んちだ」
多分、通じたんだろう。


自分の部屋の扉を開き、ゾロはドアの後ろに立ってさあどうぞとサンジに手で促す。
ここで自分から部屋に入ったならOKと見なす。
そのつもりだったが、サンジにもその意図は伝わったようだ。
ゾロの顔と部屋の中を交互に見てから、意を決したように表情を引き締めて足を踏み出した。
ちゃんと玄関で靴を脱ぎ、裸足のまま部屋の中に入る。
『臭え』
「ああ?なんも使ってねえから、ちらかってねえだろ」
サンジはまっすぐ窓辺に歩み寄ると、カーテンと窓を開けて換気した。
それから、シンクに詰まれた缶ビールとコンビニ弁当の空を漱ぎ、食べかけのおつまみパックを輪ゴムで括って片付ける。
湯を沸かしテーブルを拭いて、瞬く間にお茶の準備を終えた。

「相変わらず手際がいい奴だなあ」
今朝までの鬱蒼としたむさくるしい男部屋と、どこか色まで違って見える。
アルコールとさきいかの臭いから一転して芳しいコーヒーの匂いが漂い、ゾロは感心しながらテーブルに付いた。
傍らに、古いファイルをどんと置く。
「食うもんねえけど、まあお前も座れよ」
言われるまでもないと、サンジも椅子を引いて腰掛けた。
ゾロは一口コーヒーを飲んでううんと唸り、ファイルの束から古いノートを引っ張り出した。
「お前がワーカーズで見たの、こんなんだろ?」
ぱらりとめくれば、そこには鉛筆書きでたくさんの“サンジ”が描かれていた。
向かい合わせに座ったサンジが、思わずゾロの頭に自分の頭をくっつけるようにして乗り出し見入る。

「これぁ俺が高校ん時に描いた、下手くそだろ?」
確かに、製作会社で見たような洗練された線ではないが、どことなく面影を留めていて一目で“サンジ”とわかる。
ぐるりと巻いた眉毛と目つきの悪さが、ずいぶんとデフォルメされた落書きだ。
「ここに設定っつうか、特徴が書いてあってよ。日本語じゃわかんねえか」

強烈なキック、口が悪くて目つきも悪い。
ちょっと猫背でガニ股で、女好きですぐ鼻の下を伸ばしてへらへらしする。
それでいて、自分の仕事に誇りを持ち餓えた奴を見過ごせず、食いたい奴には食わせてやるが心情の海の一流コック。

「中学の頃・・・いや、高校に入る直前からかな。こいつの夢ばかり見たんだ。毎日毎晩、出てこない日はなかった。夢の中で、こいつとほかにも何人か仲間がいる船で旅をする夢だった」
言葉はわからないだろうに、サンジはじっとゾロの声に耳を傾けている。
ゾロも、なるべくサンジにわかるように漫画的な絵を描いて伝えた。
「俺の夢はあんまり毎日頻繁だったから、時にはどっちが現実かわからなくなることもあったな。こっちのが本当は夢で、夢の世界が・・・お前のいる世界が本当の俺みたいな錯角にも陥ったりして」
たかが夢の話だ。
大の大人が、しかも一回り以上も年の離れたおっさんが夢の話を真剣に語るなんて、さぞかし滑稽なことだろう。
気味が悪いと、思われるだろう。
けれどゾロにとっては、すべてが事実なのだから仕方がない。

ゾロは、自分らしき人型と“サンジ”の姿の間に、ハートの形を描いた。
「喧嘩ばっかりしてたんだけどな、んで当然男同士なんだがな。俺たちはまあ、アレだ」
言葉が通じないのに濁しても仕方なかろうと思いつつ、やはりどうにもテレ臭い。
夢の話で照れる中年男なんて、救いようのない痛さだと自分でも思う。

「毎晩毎晩夢で逢えるのに、現実にはいない。それで俺はとうとう業を煮やして、いないなら創ればいいと思っちまったんだ。それがまあ、“サンジェル”誕生秘話かな」
夢は夢として、ゾロはちゃんと現実を生きてきた。
それなりの大学を卒業し会社にも就職し、それなりに出世してある程度の信頼も地位も得た。
こうして契機が回ってきたから、さりげなく“サンジェル”の案を出したら、とんとん拍子に話は進んだ。
「ただ、なにもかも俺の思い通りって訳には行かなかったがな」
CMでは“サンジェル”は癒し効果を前面に押し出して、どうしてもゾロの中の乱暴で猥雑な要素は消えてしまった。
それが不満だとは思わない。
あくまでサンジェルはCMキャラクターであって、ゾロの中の“サンジ”とは違うからだ。
自社の商品だから、万人に受けて売れればそれでいい。
だから、ゾロにとって“サンジェル”はさほど思い入れのあるモノではない。

「それで、お前が釣れたんだからなあ」
ゾロは肘を着いて顔を上げ、正面から手元を覗き込んでいるサンジをしみじみと見た。
視線を感じたか、ふと顔を上げたサンジと至近距離で目が合う。
サンジはすぐに頬を赤らめて、視線を逸らした。
―――こういうとこが、違うんだよな。

夢の中のサンジは、ゾロと目が合っただけで因縁つけて乱闘に持ち込むような喧嘩っ早さだ。
とにかく寄ると触ると喧嘩になって、口汚い罵り合いもからかい合いも日常茶飯事で。
なんだってあんな、乱暴で口うるさいやかましい男に惚れたのか自分でもさっぱりわからない。
わからないけど、好きだった。

「懐かしいなあ」
まるで愛しい人に久しぶりに会えたように、ゾロは目を和ませて一人微笑む。
そんな表情を近くで見つめ、サンジの表情が見る間に曇った。
『・・・お前にとっての、運命の人なんだな』
そんなことを呟いたのだろう。
突き出された上唇の尖り方が、愛らしくて仕方ない。
ゾロは思わず、手を出してその唇を摘んだ。
驚いたサンジがパシッと手を振り払うのに、構わず顎に手を掛ける。

「てめえがんな、可愛い面するのが悪い」
可愛いとか、彼に向かって言ったことなど一度もないのに。
そもそも、飯を食って美味いとかも、夢の中のゾロは口にしたことなどなかった。

最初は、やり直しているのかと思った。
夢の中で時に険悪だった二人の関係をせめて現実世界では、やり直そうとしているのかと思った。
美味いものを美味いと口にし、感謝の言葉を述べ、優しく接して面倒を見て、誰に遠慮することなく誰に憚ることもなく、思い切り愛して可愛がりたいのかと思った。
そのために、こんなにも年の開きがあるのかと。
馬鹿馬鹿しい話だが、ゾロだって運命を感じざるを得ない、現実のサンジとの邂逅だった。
けれど―――

「もう、いいんだ」
サンジの目を見つめはっきりと告げてから、ゾロはおもむろに立ち上がる。
テーブルの上に広げてあったファイルやノートを抱え、ラウンジの一角にある事務机に乗せた。
壁際に置かれたシュレッダーの電源を入れ、ファイルから紙を取り出してはシュレッダーに差し込む。

『なにしてんだ!』
ゾロがしていることに気づき、サンジは椅子を蹴倒さんばかりの勢いで立ち上がって駆けつけた。
半分シュレッダーに噛み砕かれた紙を引っ張り、ゾロの手からファイルと取り上げる。
だがゾロは構うことなく、机に置かれたノートを素手で破っていった。
『止めろ!止めろって!』
サンジの目の前で、ゾロの“サンジ”が破かれていく。
稚拙な線で、鉛筆画だけれど一生懸命描いたであろう、“サンジ”の面影が消されていく。
『ゾロ、なんで・・・』
「もう必要ねえからだ」
『馬鹿、止めろよ!こんなことされたって俺はっ・・・』
サンジが嫉妬したから、拗ねたから思い出ごと消そうと言うのか。
そんなこと、ゾロにさせたくなんかないのに。

泣き出しそうに顔を歪めて取りすがるサンジにゾロは少し困ったような顔を見せて、それから手にした日記帳をぱらぱらと捲った。
最初のページを開き、サンジの目の前に翳す。
それに何の意味があるか最初はわからなかったサンジも、はっとして目を瞠った。

「―――な?」
ゾロはいたずらっぽく笑うと、残りのファイルやノート類を机の上に積みサンジの腰に両腕を回した。
「うまく説明はできねえんだが、俺はお前が好きらしい」
『・・・ゾロ』
「こんなおっさんで、しかも言葉も通じねえ。どこの馬の骨ともわからねえ男だが、愛していいか?」
『―――・・・』
サンジの瞳が、迷うように揺らいだ。
ゾロは、サンジを一目見たときから運命かと思ったが、サンジの方はゾロをまったく知らないのだから運命もくそもなかっただろう。
けれどもいま、こうして腕の中に抱き込んでも抵抗はない。
多分このまま、いけそうな気がする。

「じゅ・・・てーむ?」
つい、疑問形になってしまった。
サンジはぷっと吹き出してから、しょうがねえなと呟いて伸び上がりゾロの唇に自分から口付けた。




夢の中で何度も“サンジ”を抱いたけれど、ゾロが実際に男と寝るのは初めてだった。
それでも、愛しいとの気持ちが先に立って、過去に寝起きを共にした女性たちと比べるべくもないほどに緊張し興奮した。
ゾロの匂いのするベッドに押し倒され、気付かぬ内に身包み剥がされ全裸になったサンジはどこをどう隠していいかわらかぬまま、ゾロの愛撫に翻弄された。
どこもかしこも口付けられ、余すところなく撫で回された。
他人の手が直接肌に触れるのが、こんなに心地よいとは思わなかった。
ゾロの掌は温かくて力強く、その迷いのない動きに安堵して、気が付けばすべてを委ねている。
『あ・・・ぞ、ろ』
「気持ち、いいか?」
『・・・あ、すっご・・・ん』
「よしよし、いい子だ」
ちゅぱちゅぷ・・・と胸を吸われ、口の中に含み舌で乳首を転がされてサンジは思わず背を逸らしたまま身悶えた。
『あーああ・・・それ、やばい、やば・・・』
「可愛いぜ」
『・・・やだ、こんなっ』
胸への愛撫だけで弾けそうになっている箇所を、ゾロの大きな手がゴリゴリと乱暴に扱き上げていく。
痛いくらいの力なのに、ものすごく気持ちがいい。
そうしながらありえない場所に指がめり込んでくるのに、背筋がぞくぞく震えるのは嫌悪感のせいばかりではなかった。
『や・・・やべ、なん、か・・・ヘンっ』
「やーらけえなあ」
『・・・や、見・・・んなっ』
あちこち触られて気持ちいいことばかりされて、サンジはもうなにをどうされているのかわからなくなっていた。
空を足掻いていた手を、ゾロの熱い掌ががっしりと掴む。
そのまま指を絡めてシーツに押し付け、大きく開いたサンジの足の間に乗り上げた。
「てめえが、欲しい」
『・・・あー・・・ゾロっゾロ・・・』
硬い緑色の髪が、自分の頬にかかる。
サンジはもう片方の手を背中に回し、しっかりと抱き寄せて自分の頬をゾロの髪に擦り付けた。
圧倒的な質量を持って、ゾロが自分の中に入ってくる。
こんなにも必死で、みっともなく足掻きもがきながら肌を合わせても、胸の奥から溢れ出る暖かな幸福感は止まらない。
『ぞろっ・・・ぞろ、すきっ・・・』
「―――好きだ」
なにを呟いているのか言葉はわからなくても、互いの名前だけは聞き取れる。
そう思って、ゾロはサンジの耳に唇を寄せ、夢の中では決して呼ばなかった名前を囁き続けた。









『グッモーニーン〜♪』
エースの能天気な声がスマホから漏れ聞こえたのは、翌日の午後2時過ぎのことだ。
ゾロはいくつかある着信を無視し、とりあえずエースからの電話には出た。
「もう昼過ぎだぞ」
『え?起きてた?』
「いや寝てた」
『・・・でしょうねえ』
苦笑するエースの顔が、目に見えるようだ。
『すっかり忘れてるって思ってんだけど、サンちゃんの親戚の件。どうする?』
「ああ、とりあえず一日顔出しにだけ行かせる」
『なにその保護者気分』
「保護者だからな」
保護者と言うか庇護者と言うか、とにかくもうサンジはゾロのものだ。
『なにその滲み出るドヤ感』
「野暮なこと言ってんじゃね・・・」
背後でドタドタとけたたましい音がして、ゴンガツンと物騒な効果音まで付いてきた。
エースが固唾を呑んで耳を澄ませていると、やや経ってから流暢なフランス語に変わった。
『えーあーエース?』
「あ、サンジおはよう」
『・・・おはよう』
サンジの背後で「痛っえなあ」とぼやくゾロの声が聞こえ、笑ってしまった。


日本滞在予定の2週間は、あっという間に過ぎてしまった。
サンジの親戚宅にはゾロも一緒に押しかけたが、有名なCMのディレクターと聞いて揃って歓待された。
なかなかのミーハー家族だが明るく大らかで、不測の事態とはいえきちんと招待できなかったことを詫び日本の手土産もたくさん持たせてくれた。
サンジは正式に会社と契約を結び、その権利はゾロの会社に帰属される。
とはいえ、ゾロはすでに次の形態を模索し始めていて、“サンジェル”起用は次回のオンエアを持って作成を終了することに決まっていた。

「まだまだ勿体無いんじゃないの?せっかく生サンジェルが手に入ったのに」
「悪いがもう、サンジェルに用はないんだ」
「なにその悪役台詞」
ドン引くエースの隣で、ゾロはサンジを乗せて飛び立っていった飛行機の影をいつまでも見送っている。
ようやく想いも通じ合い、わずかな期間の蜜月を過ごした恋人はフランスに帰ってしまった。
けれど、これで終わりではない。
次の休暇にはゾロがフランスに行くことになっているし、サンジは料理人としての修行先を日本に決めたと言っていた。
いずれ、こちらで一緒に住むことになるだろう。

「種明かししてくれる?そもそもサンジェルってなんだったの」
エースは柵に凭れて、空を仰ぎ見た。
まだ風は冷たいが、春の到来を感じさせるすっきりとした青空が広がっている。
「俺の夢の中の話だ」
「夢?」
「ああ、もう十何年ずっと夢で見続けた男を、現実化させるつもりで創ったグラフィックだ」
「なにそれ、男のロマン・・・じゃないな、ゾロの妄想がたっぷり詰まった天使ってこと」
茶化すような口ぶりではないエースの指摘に、ゾロは堂々と頷く。
「まあそういうことだ」
「・・・じゃあ、やっぱり運命だったんじゃね」
「かもな」
運命とか宿命とか、ゾロは信じない。
信じないけれど、偶然ではないなにかがそこにはあると思った。
それでも、力尽くで“運”を引き寄せた自信はある。
“サンジェル”を創らなかったら、遠く異国で暮らしていたサンジに気付かれることもなかった。
こうして日本に引き寄せることも、こうして出会うこともなかった。
適当な言葉で言い表すのなら、確かにこれは“運命”であり“必然”でもあったのだろう。


「で、今はその夢見るの」
「見ない」
「全然?」
「まったく」

サンジが目の前に現れてから、ゾロが“サンジ”の夢を見ることはなくなった。
いまでは記憶も朧で、本当にその夢を見ていたかどうかも正直怪しい。
サンジ立会いのもと、ファイルもノートも夢日記もすべて処分してしまった。
ゾロが何年間も同じ夢を見ていたのか、どんな夢だったのか、本人ですらわからなくなっている。
ただあの日、サンジの目の前で日記を捲りゾロがはじめて夢を見た日付を確認した。
―――1993年3月2日。
どこかで見た数字だと思い、サンジにもそれを見せたらサンジの方が納得した。
つまりは、そういうことなのだ。

「確かなことは、俺があいつと出会えたってことだけだ」
「なにその結果オーライ」
「終わりよければすべてよしだろ」
お前が言うと腹立つーと悪態を吐きながら、エースはからりとした笑顔を空に向けた。










仕事に疲れたOL、恋に破れた干物女、妻に逃げられたやもめ男、孤独なオタク。さびしがり屋の引きこもり。
彼らの元に、今夜もサンジェルがやってくる。
おかえりと声をかけ、お疲れ様と微笑んで、ただ彼らの傍に寄り添い温かい眼差しで見守っている。
ふと、サンジェルが立ち上がった。
音もなくキッチンに立ち、その白い手が鍋を掴む。
湯を沸かし、冷蔵庫から食材を出しまな板の上で包丁が踊るようなリズムを刻んだ。
立ち昇る湯気と暖かな炎。
いい匂いが漂い、疲れ切った部屋の主がふと顔を上げた。
サンジェルは手際よく調理を済ませると、小ぶりの丼にたっぷり具材を乗せて戻ってきた。
いかにも栄養満点で、それでいて豊かな彩りとあっさりとした雰囲気が食欲をそそる。
熱々の湯を回し掛けさあどうぞとばかりに差し出されれば、部屋の主は両手で受け取り勢いよく掻きこんで行く。

いい匂い、美味しい、旨い、温かい。
鼻から香りが抜けて喉に旨みが染み入り、腹の底がゆったりと温もった。
贅沢な寝る前茶漬けは、栄養に富みながら消化がよく胃にも負担が掛からない。
一日の締めくくりにふさわしく、また明日もがんばろうと元気が沸いてくるような力強さを秘めている。
そしてなにより―――

「クソうめえだろ?」
サンジェルは画面に近付きそっと囁いて、どこか得意げで小生意気にほほ笑んだ。



End


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