動物愛護週間


そこに欲しいと、望む場所に指が触れる。
肌をなぞる舌は無闇に焦らすことなく、耳朶を噛む歯にも力はない。
ただ優しく柔らかく擽るように、快楽だけを引き出して手の先で転がして。
気持ちいいだけの愛撫にもどかしくなって、大きく開いた足の踵で背中を押せば、呆気なく奥まで押し入った。
ゆったりとした動作で大きく揺さぶり、蕩けた内部を存分に穿つ。

あつくほどけて。
なかでうねって。

抑え切れぬ声が喉の奥からせり上がり、甘い吐息に変えて彼の頬を撫でる。
常ならぬ優しい性交に毒されたか、らしくない手つきで芝生のような髪を撫でた。
裸の胸に抱き込んで、頭皮の匂いを嗅ぎながら目を閉じる。

手足を絡めて腹を重ねて、息を一つにして肺も鼓動も交わり合った。
まるでお互いが、愛しいものであるかのように。




「今日から、動物愛護週間だろ」
ゾロは悪びれもせずそう言って、なにを思い出したか頬を緩めてニヤンと笑った。

「今日から、動物愛護週間だって言うからよ」
サンジはつまらなそうにため息一つ吐いて、そっぽを向いたまま煙草を吹かす。

煙がハートの形になったのはご愛嬌だ。


End



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