男の望みはただひとつ。
“己の全てを受けいれほしい”
男は、それは叶わないと知ると女に絶望した。
愛すべき女の存在そのものを疑うようになったのだ。
高台にある大きなお城に、ロロノア・ゾロと言う名の貴族が住んでいました。
まだ若い彼には家族がなく、一人でひっそりと暮らしていました。
多くの若い娘が彼の孤独を慰めるため、メイドとして城に行きましたが、誰一人として城から帰ってきた者は
おりませんでした。
サンジは穿き慣れない長い丈のスカートに戸惑いながら、城への道を急いでいた。
既に脱いでしまった高いヒールの靴は、片手に持っていた。
ずいぶん前から城は見えているのだが、蛇行した道は思ったよりも長くて、城につく前に日が暮れてしまいそうだった。
歩き疲れて暫く休もうとした時、サンジは声を掛けられた。
道端にある大きな石に座った、背中の曲がった老婆が手招きをしている。
「あんた・・・あの城へ行くのかい?」
ここから城までどのくらいかかるか確かめようと、サンジは老婆に近づいた。
「ああ。とてもいい条件で雇ってくれるって聞いたから・・・いえ、聞いたもので」
ヤバいと思い言い直した言葉を気にした様子も無く、声をかけた老婆はサンジの腕を掴み、今来た道を引き返す
ようにと促がした。
「ゾロ様には気をつけなくてはいけない。早く帰りなさい」
「いや・・・でも・・・」
今更家には帰れない。
家にはサンジの仕送りを待っている家族がいるのだ。
「私の孫もお城にお仕えに行ったんだが、帰ってこない・・・あの城に行った者は、誰も帰ってこないんだ・・・」
「それは城主様に気に入られて帰して貰えないんだろうな。」
こんな御時世だ。
気に入らないが、女性は小さくても城を持った貴族の妻や妾となるのが幸せなのだろう。
村々は貧しく、弱い者から先に死んでいく。
贅沢をしているのは一部の人間だけだ。
高台の大きな城の主、ロロノア・ゾロ卿は先の戦争での功績により王から貴族に取り立てられたのだという。
王の信頼も厚く報酬は莫大なもので、城は贅の限りをつくした造りになっているとか。
鍛えられた身体に整った容貌で独身とくれば周囲の女性は当然躍起になる。
働きに行った者が見初められて結婚していてもおかしくはないだろう。
「ここからお城まではあとどれくらいかかりますか?」
「あと1時間くらいだね・・・」
“なんとか日暮れまでには辿り着けそうだ”サンジはホッと胸を撫で下ろした。
「ありがとう、おばあさん」
老婆はまだ引き止めたがっていたが、サンジは少ない荷物を肩に担ぐと城へと向かった。
「オレが気に入られて帰れないって事はないだろうけど・・・」
何しろサンジは男の子だった。
ゾロの城では男は雇ってくれないというので、わざわざ女装してやって来たのだ。
色白で中性的な容姿の為、違和感はないが、そろそろ声変わりが始まる年頃だ。
そうなれば女装も難しくなる。
男だとばれたらクビになってしまうだろうが、それまででもいいからお金が欲しかった。
ほんの少しの銅貨があればパンが買えるし、オレを育ててくれたジジイにも少しは栄養のあるものを
食べさせてやれる。
そう思ったら女の格好をするのは少しも苦痛ではなかった。
煌びやかな城の中は、何故か暗い雰囲気に包まれていた。
門番に通された部屋も素晴らしい家具や置物に囲まれているが重い空気を感じた。
そして何よりも城の中が静か過ぎる。
サンジはソファに腰を降ろしてきょろきょろと周りを見た。
この城に女の子がたくさんいるなら、もっと賑やかなんじゃないのか。
不意に老婆の言葉が思い出された。
『あの城に行った者は誰も帰ってこない』
サンジは、込み上げてくる不安に思わず息を殺した。
扉をノックする音が聞こえて顔を上げると、そこには緑の髪を持つまだ年若い男が立っていた。
見事に鍛え上げられた体格と、同性のサンジでも見蕩れてしまいそうな容貌。
噂に聞いていたこの城の城主、ゾロに間違いないだろう。
しかしゾロは噂で聞くよりもずっと逞しく優しそうな青年だった。
髪は柔らかな緑色で、通った鼻筋と彫りの深い顔立ちで綺麗な瑠璃色の瞳は暖かく見える。
「雇って欲しいと言うのはお前か?」
「あ、はいっ」
慌てて立ち上がり、深く頭を下げた。
まさか、ただのメイドを迎えるために城主が出てくるとは思っていなかったのだ。
「サンジです。よろしくお願いします・・・っ」
「そんなに硬くなる必要はない」
ゾロはサンジに腰を降ろすように言うと、自分も向かいに腰掛けた。
「心配するな。ちゃんと雇ってやる」
「本当ですか?」
安堵の溜息をついたサンジの金色の髪を、大きな掌が撫ぜた。
「雇ってもらえないと思ったのか?」
「はい・・・まあ・・・」
ゾロは小さく笑いながらサンジを見ている。
その声は囁くように甘く、サンジは頬が紅潮するのを感じた。
「他のメイドに来るように言ってある。そのメイドに制服を貰って、仕事の内容とこの城の決まり事を教えてもらうといい」
ゾロは立ち上がって扉の方に足を向けた。
「じゃあ、明日から頼むよ」
「はい。よろしくお願いします」
ゾロは穏やかな微笑を見せた後、規則正しい靴音を響かせながら部屋を出て行った。
「ふう・・・いい人のようだ・・・」
やはりあの老婆の思い過ごしなのだとサンジは先ほどの考えを笑った。
この城では黒いドレスを着て働くようで、サンジにもみんなと同じ物が支給された。
シンプルなデザインで、ふんわりと広がった膝丈のドレスと純白のエプロンは色白のサンジに良く似合った。
「サンジ、そんなに足を開いて歩いたらご主人様に叱られるわよ」
他のメイドは笑いながら注意するのだが、元々男であるサンジにはそれが難しい。
気を抜くとどうしても足が開いてしまう為、ここに来た時は長いスカートを穿いていた。
「ご主人様って、叱ったりするんですか?」
「いいえ、とてもお優しい方よ。でもサンジだってここに来たと言う事はあの方に気に入られて楽をしたいって
思っているならなんでしょ?」
「えっ・・・うん・・・まあ、そうかな」
楽はしたいができるだけ長く働けるようにあまり目立った行動は慎みたかった。
「だったら女の子らしくしてないと」
ゾロは同性のサンジでも惹かれたのだ。
年頃の少女達にはゾロはたまらなく魅力的に見えるのだろう。
いつもメイド達の話題はゾロの事ばかりだ。
こちらを見てくださった、優しい言葉をかけてくださったといった小さな事がほとんどだったが、髪型を褒めて
くださったと一人が言えばみんな同じ髪型にする。
メイド達は髪を短く切っているサンジに髪を伸ばして女の子らしくしなさいと注意する。
着飾って女の子らしく振舞ってもっと努力するべきだと、有難くも迷惑な忠告をくれる。
野心家な彼女達の言葉にサンジは苦笑した。
「サンジ、決まり事は憶えている?」
「えっと・・・南の塔には近付かない事と、書斎のドアを開ける時は大きな音でノックをした後、ベルを5回鳴らして
待つ事・・・でしたよね」
「そうよ。気を付けてね」
「でもおかしな決まり事ですね。何か理由でも?」
「さあ?」
長い間ここで働いている彼女達は、それは習慣になっていて特におかしいと感じないようで、肩を竦めて
見せただけで、すぐに仕事に戻ってしまった。
この城で働きだして半月くらい経った頃。
サンジはずっと仲良くしていた少女がいなくなっている事に気が付いた。
城に来た当日、サンジに仕事を教えてくれた子だ。
他の女の子に聞いても「逃げたのではないか」、「体調を崩して家に返されたのではないか」、「わからないわ」と
言われるばかりだった。
その時は“一言もなく突然寂しいな”と思ったが仕方ないと気に留めていなかったのだが、それが毎週のように
一人、二人と続くようになると流石に不安になってきた。
その中には前日サンジと仲良く話をしていた少女や、次の日約束をしていたのに何も言わずに消えた少女もいた、
みんな突然いなくなるのだ。
だけど、ここではそれが当り前のようで、誰も気に留めていなかった。
「家が恋しくなったのでしょ」と冷たい反応を返すのは、仲間や友人である前にゾロを巡るライバルが少しでも
減るのを内心嬉しく感じているせいだろう。
「いくら家が恋しいったって、みんなお金が必要なんだろ?だったらこんなにたくさん逃げ出すのはおかしいよ」
いくら訴えても誰もまともに取りあってくれなかった。
ゾロに聞いても“知らない”と答えるばかりだった。
そしてメイドとして働きたがる少女は毎週のように訪れる。
しかし人数が増えた分だけ減って行くようで、メイドの数は大体一定の人数を保っていた。
サンジに割り当てられた寝室のルームメイトも毎週のように替わり、いつしかサンジ自身もそれに慣れてしまっていた。
時々娘に会いたいと家族が来る事があったが、ゾロはそれらをすべて無視した。
貴族である彼に逆らえる者はなく、貧しい者はおとなしく帰るしかない。
働き始めて2ヶ月も経つと仕事にも慣れてきたと同時に、気持ちは緩みがちになった。
“近付いてはならないと言われている南の塔には何があるのか。”
“ゾロは一日中書斎に篭って何をしているのだろうか。”
と、今まで自分の仕事で精一杯だったのが、周りに興味が向くようになった。
時間ができると散歩がてら南の塔の近くまで行ってみるのだが、その度に他のメイドや見回りをしている門番
などに見つかって声を掛けられる。
元々が好奇心旺盛なサンジは気になり出すと止まらなくなってしまう。
ゾロの城は3つの塔と屋敷から成っているが、南の塔だけは窓もなければ扉もなく、他の塔とは造りが違って
いるようだった。
南の塔にはゾロの書斎を通らないといけないとわかると、その好奇心はさらに膨らんだ。
サンジは両手で銀製のトレイを持ったまま、木の大きな書斎の扉を見つめた。
トレイにはお茶のセットとケーキが乗っていて、かなり重く、周りを見回してもトレイを置いておけるような台はなく、
その間にもティーポットの重みで腕が痛くなってきた。
なんとか片手で持てるか試みたが、ポットがぐらついて真っ白だったエプロンに小さなシミを作ってしまった。
「一度くらい、いいよな・・・」
ゾロは優しく、一度も怒った事はない。
だから一度くらい決まり事を破ったくらいで怒りはしないだろう。
“書斎に入る時はノックをし、ベルを5回鳴らすこと。”それがこの城の決まり事。
「失礼します」
一応普段より大きな声をかけて扉のノブを肘で押し下げ、器用に身体を滑り込ませた。
「ご主人様?・・・いないのか」
先程、確かにこの部屋に入るところを見たのだが・・・居ないのならばかえって好都合だ。
決まり事を破ったのを咎められる事はない。
トレイから紅茶とケーキをテーブルの上に並べ、フォークやスプーンをセットする。
「これでよし・・・と」
部屋を出ようとした時、何かを引きずるような音がした。
不思議に思って振り向くと、背後に三重になっていて、スライドする本棚がある。
天井まである大きな本棚で、そこには錬金術の本や歴史の本や黒魔術の本等、様々な種類の本が並べられている。
それが勝手に動いているのだ。
身体のどこかに当たって動いたのかとも思ったが、スライド式の本棚といってもそんなに軽いわけはない。
サンジは恐る恐る近付いてギィギィと不快な音を立てる本棚を見つめた。
突然ぽっかりと空間が開き、そこから見慣れた城主が姿を現した。
同時に鼻をつくキツイ匂いと冷たい風がサンジの頬を撫でた。
「ご主人様・・・?」
「サンジ・・・!」
中から姿を表したゾロは驚きに目を見張り、次の瞬間、サンジの口を掌で塞いだ。
「ふ・・・っ」
「・・・・・・ちゃんとノックはしたのか?」
首を横に振る。
「ベルも鳴らさなかったな・・・?」
こくり。
「どうして言いつけを守らなかった?」
口元を塞いでいた掌がはずされても、サンジは声を出す事が出来なかった。
ゾロの顔は無表情だが、とても怒っている事がわかったからだ。
「ご、ごめんなさ・・・」
「どうしてだと聞いているんだ」
「トレ・・・トレイを両手で持っていて・・・、それで・・・」
瑠璃色の切れ長の瞳がチラリとテーブル上の銀製のトレイを見た。
「俺がここから出てくるところを見たな?」
「いえ・・・み、見ていません・・・・・・っ」
ゾロがいつものように小さく笑った。
それが冷たい響きを持っている事に気が付いて、サンジは逃げ出そうとした。
だが、腕をがっちりと掴まれていて身動きが取れない。
「嘘をつくのはいけないな。来なさい」
暴れるサンジを横抱きにしてゾロは再び本棚の隙間に滑り込んだ。
そこは屋敷の豪奢さとは正反対の暗い空間が広がっていた。
蝋燭の明かりだけが照らしぼんやりと薄暗い螺旋階段をゾロはゆっくりと降りていく。
カツン・・・、カツン・・・という靴音が響いてサンジの恐怖を煽った。
鼻をつく匂いはどんどんと強みを増し、湿った空気が肌を刺激する。
「は、はなして・・・!」
見上げたゾロの表情の恐ろしさに身が竦んだが、声をあげた。
顔立ちは変わらないのに、無言で酷薄な雰囲気を纏うと妙な凄みがある。
「着いたぞ」
階段を降りるとそこには幾つもの牢屋があった。
サンジは乱暴に床に放り投げられた。
そこには柔らかなベッドが置かれていて痛みはなかったが、サンジは自分の視界に映るものを信じられない
気持ちで凝視した。
「ぁ・・・」
行方不明になった少女達が半裸のまま隅に蹲っている。
抱きあって震え、俯いてゾロの方を見ようともしない。
手首に縛られたような痣ができている少女もいれば、体中に噛んだような鬱血の痕が目立つ少女もいた。
彼女達の姿を見れば何をされたかは一目瞭然だった。
「ここにいるのは、みんな言い付けを守らなかったメイド達だ、サンジ」
だから叱ったのだとゾロは言う。
「ひど・・・い・・・」
「ひどい?なぜだ」
ゾロは首をかしげた。
「抱かれたがっていた女達だろ。願いがかなって本望だろう?」
「だけど」
「それをどんなふうに抱くかは俺の自由だ。違うか?」
じりじりとサンジは壁際に追い詰められた。
なんとかしてここから逃げ出して近くの村に行って助けを呼ばなくては。
「それに彼女達の給料はちゃんと故郷の家族のもとに毎月支払ってある。その分俺に奉仕すればいい」
ゾロの腕が伸びて来て、サンジの腰を引き寄せた。
「逃げてもムダだ。書斎への扉の開き方は俺以外知らないんだからな」
強い力で再びベッドに押さえつけられる。
「この塔はな、元々罪人を捕らえておくためのものだ。だから造りが頑丈で窓も扉もない。声も外には漏れない
ようになっているし、逃げ出すのは不可能だ」
大柄なゾロに上から押さえ込まれてしまうと、小柄なサンジは不利だった。
ジジイに仕込まれた蹴り技もこの体制ではびくともしない。
スカートが捲り上げられ、エプロンが破り捨てられる。
下着を取り払ったゾロはサンジを見下ろして口元を緩ませた。
「やはり、男だったか」
同性だとわかったらあの少女達と同じ目には遭うまいと思った。
「はじめて見た時から男だということは分かっていた。歩き方や仕草、言葉遣いがやはり他のメイドとは違うからな」
まだ体毛のない幼い性器を長い指がゆるりとなぞり上げた。
ゾクリと悪寒に似た、しかしまったく正反対の感覚が背筋を駆け上がった。
初めて感じたその感覚が恐ろしさとなって身体中を巡る。
「やめろ、離せ!」
サンジは露になった下肢を掌で隠しながらなんとか逃げ出せる方法はないものかと視線を泳がせた。
同性とわかってもあの少女達と同じように扱おうとするゾロが信じられない。
闇雲に暴れ、なんとかゾロの腕から逃れる事が出来た。
体は小さくてもやはり少女達とはちがった。
チラッとゾロの澄んだ瞳が少女達を一瞥した。
「あのメイド達を助けたいんだろう?」
ゾロの声は悪魔の囁きのように甘い響きを持っていた。
「お前が俺を喜ばせる事が出来たら、一人ずつ外に出してやろう」
「どうして・・・」
今まで城には女しか入れなかったはず、何故同性であるオレを抱こうとするのか。
それがどうしてもわからない。
「しかしお前が俺のすべてを受け入れなかった場合は・・・彼奴等もお前もここから一生出ることはない」
条件をのむか?と冷たい微笑がもう一度問い掛けた。
「お前は俺を受け入れるか・・・?」
「彼女達を出してくれるっていうのは・・・本当・・・なんだな?」
ゾロの薄い唇がやんわりと笑いの形を取った。
「ああ約束しよう。女はもういい。誰も俺を受け入れられない事がわかったからな」
彼が言う“受け入れるという行為”がどういう意味なのかと、サンジは暫く躊躇したが、やがてその条件を
受け入れる決心をした。
自分は男だから、妊娠する事もなければ一生心に傷をつくる事もないだろう。
彼女達がもしも妊娠してしまったら、ゾロは二度と外に出さないかもしれない。
彼女達はこんなにも怯えている。
誰か一人でも城から出ることができれば、助けが来て、皆が助かる。
サンジは着ていた物を脱ぎ捨て、たくさんの女の子の前で犯される悔しさと恥ずかしさに唇を噛み締めた。
「さあ、跪いて・・・俺のモノを舌で慰めるんだ」
言われた通りに跪き、既に怒張しきったモノを取り出した。
恐ろしいほどに大きく長いそれを両手で捧げ持ち、唇を寄せる。
舌を伸ばし、舌先で猛々しく脈打つそれをゆっくり舐め上げた。
サンジの柔らかい舌先が触れた途端にビクリ、ゾロの腰が震えた。
「もっと濡らして・・・口に含むんだ」
言われた通りに唾液をたっぷりと絡めながら口中に招き入れる。
ゾロのペニスは大きすぎて先端を咥えただけでサンジの小さな口はいっぱいになり、動かす事もままならない。
「歯を立てるなよ」
それでも何とかゾロを満足させようとサンジは懸命に舌を使った。
「ん…っふ…ぅ、んっ」
どのようにすればわからず、ただただ舌先で突付き、括れを擦り、懸命に吸い上げた。
指先で全体を愛撫しながらそれを繰り返すと口の中のモノはどんどん大きさを増して行く。
張りのある先端が反り返り、竿の部分が固さを増したが、それが限界を知らせる合図だとはサンジは知らない。
一心不乱に手と口腔全体で彼に奉仕し続けた。
“早く終って欲しい”サンジが望むのはそれだけだ。
彼女達を逃がしたいという気持ちもある、長引けば長引くほど酷い行為を強制させられるのではないかと、恐ろしかった。
暫くすると先端から苦く粘ついた液体が溢れ、息苦しさから逃れようとサンジが口を離した瞬間、白濁した熱い
体液がサンジの口元から胸を汚した。
あまりの量と熱さにゾロを見上げると、彼は目を細めて満足そうに微笑んでいる。
「あ・・・あとは・・・どうすればいいんだ・・・?」
「ではベッドに寝転がって、足を広げるんだ」
サンジは小さく震えながら言われた通りにした。
ゾロは胸元に滴っている体液を指で掬い取ると、サンジの広げた足の奥の柔らかい肉を揉んだ。
「んっ・・・ああっ・・・」
たまらない快感だった。
「ここをこんな風に自分でほぐすんだ。よく慣らさないと辛いぞ」
ゾロは自分自身もベッドに上がり、胡座をかいてサンジをその上に抱えあげた。
「やめっ・・・嫌だ・・・!」
「嫌じゃないだろ?ほら、こうして広げてやるから・・・・・・ 」
逞しい腕でサンジの脚と尻を広げられる。
誰にも見せた事のない場所が冷たい風を感じて小さくひくついた。
サンジの頬が今更ながらに羞恥に紅潮する。
ゾロの言葉は優しく意外だった。
もっと拷問めいた事をされるのではないかと恐れていたサンジは、すこし緊張を解いて胸元の体液を広げられた
蕾にゆっくりと塗り込めていった。
「・・・・・・んっ・・・」
「中まで塗るんだ、サンジ」
耳朶をやんわりと甘噛みしながら囁かれると、生まれてから一度も達した事のないそれが頭をもたげるのを感じた。
ゾロの吐息、低い声、頬を掠める唇が気持ちを高ぶらせていく。
何度もゾロの体液を塗り込んだが、解すのも初めてならば誰かに抱かれた事もないサンジにはどの程度濡らせば
いいのかわからない。
「ご主人様・・・」
厚い胸に凭れ掛かったままで彼を見上げると、いつも見せる柔らかい微笑を返してくれた。
「どうすればいいか、わからないのか?」
こくりと小さな頭が頷いた。
「サンジの指では奥まで届かないからな」
そう言って自分の中指を唾液で濡らすと、蕾に突き立てた。
「い、た・・・っ」
サンジの身体が跳ねた。
自分の指では届かなかった奥深くまで掻き回される。
時々骨張った長い指が中で折り曲げられると、その度にサンジは身体を堅くした。
それに慣れて来ると2本3本と指が増やされていく。
「も、痛い・・・っ痛い、ですっ!ご主人様…」
「さっきサンジが咥えたモノがここに入るんだ。広げないと切れてしまうだろう?」
息も絶え絶えになって涙を流しているのに、ゾロの手は休まる事がない。
そのうち再び立ち上がったゾロのペニスがサンジの柔らかい大腿を押し上げ始めた。
「サンジ、どうして欲しい?」
意地の悪い聞き方だ。
サンジ自身は決して望んでいない行為を、本当はゾロが望んでいる行為を強請れと言っているのだ。
膝から降ろされたサンジはベッドに横たわった。
ゾロに向かって脚を開き、解されたばかりの蕾を差し出す。
充分に濡らされたそこは赤く充血し、ゾロを待ち侘びているように見えた。
「ここ・・・に、入れてください・・・」
ゾロが薄い唇を舌で湿らせた。その表情はまるで獰猛な肉食獣のようだ。
「いいだろう・・・存分に俺を味わえ・・・」
ぐいっと突き入れられて、あまりの痛みに身体が戦慄いた。
「ひぁ・・・っああ、あッ―――」
「くっ・・・力を抜け、サンジ」
サンジは浅く荒い呼吸を繰り返しながら、無意識のうちにしがみついていたゾロの腕を爪で傷つけた。
ゾロは構わずにぐいぐいと腰を進める。
「痛い・・・・・・い、た・・・あ、ああッ」
サンジの悲鳴に、牢屋の中の少女達は耳を塞いで泣きじゃくっている。
塔の中に幾つもの泣き声が響き渡った。
ゾロの大きな肉棒が腹部から喉までせり上がってくるような圧迫感は、身体の中から引き破られるような恐怖を齎す。
だからと言って身体には力が入らず、逃げることも出来ない。
サンジは呼吸すら忘れて痛みをやり過ごそうとした。
「クッ・・・こんなに締まりがいいのは初めてだ」
男を受け入れる造りではない蕾は息苦しい程の締め付けをゾロに与える。
中は熱く、先端から根元までを捏ね繰り回すようにひくついている。
誰も犯したことのない小さな秘部は切れる寸前まで開かされ、切り裂かれる痛みを与える。
ゾロが呼吸をする僅かな動きさえも苦しい。
「やめっ、動かな・・・い、痛い・・・っ」
「動く?こんなふうにか?」
サンジの両脇に腕をつき、一度腰を引いてから勢いよく楔を打ち込んだ。
「嫌あっやめ、ああー・・・っ」
泣き喚いても、抵抗しても抑え込まれてつかれる。
腰を砕くような痛みに気が遠くなる。
ゾロは残酷な暴君だった。
快感は微塵もなく、そこにあるのは痛みと苦しみだけだった。
叫び声を上げすぎてヒュウヒュウと喉から空気が漏れるような音がし始めた時。
再びゾロが大量の欲望を吐き出した。
熱い飛沫は内壁を満たし、その粘ついた感触にサンジは身体を震わせた。
「約束通り一人外に連れて行ってやろう」
身なりを整えたゾロが言うと、少女達が我先にとゾロに群がった。
ただ一人サンジに駆け寄った一人の優しい少女の腕を取ると、ゾロは書斎に続く階段を登って行った。
それからもサンジは毎日何度もゾロに抱かれた。
幾度か抱かれるうちに体は少しずつ痛みを感じなくなっていた。
それより、ゾロはなぜかサンジにはとても優しいのだ。
毎日大きな桶に湯を張って身体を洗ってくれ、食事も豪華なものを食べさせてくれる。
まだ牢屋に掴まっている少女達は破れた服を身に纏い、元は艶やかだった髪を洗う事も許されていないのに。
その上どこから持ってくるのか、サンジの身体にあった男の子用の服も持ってきてくれる。
サンジを抱く時は時折残酷な一面を見せる事もあったが、事が終った後は逞しい胸に抱き込んで眠る事を
許してくれるのだ。
しかしサンジはそれがなぜかを考えている余裕はなかった。
ゾロは性欲の強い男で、文字通り朝から晩までサンジを抱く。
まだ幼いサンジは抱かれていない時は疲れはて眠ってしまうのだ。
目を覚ました時に少女の数を数えて、ゾロが約束を守ってくれている事がわかると安堵からまた睡魔が襲ってくる。
毎日がその繰り返しだった。
チリン・・・とベルが鳴る音が聞こえた。
南の塔は特殊な造りで、書斎の扉の前でベルが鳴らされると塔内にその音が響くようになっている。
ベルの音が響くとゾロは書斎に上がり、何もなかったかのように振舞う。
今もゾロの書斎に他のメイドが来たのだろう。
誰かは知らないが、その少女がゾロの言い付けを守った事にサンジは胸を撫で下ろした。
今も体内を深く抉っている男は、メイドが規則を破るとサンジを抱いている最中でも容赦なく牢に放り込み、
自分達のセックスを見せるのだ。
ここから無事に出て行ったメイドもいれば、何日かに一人新しい顔が増えてもいた。
チリン・・・。
2度目のベルが鳴った。
ゾロはサンジから身体を離すと、素早く身なりを整えた。
「いい子にな・・・サンジ」
突然放り出された身体は強烈な喪失感をサンジにもたらした。
はじめは苦痛だったはずのゾロとの性交が快楽に変わって来ている。
サンジの身体は幼く未熟であるが故に快感に素直に反応し、それらの素晴らしさを憶えてしまっているのだ。
そろそろと指を伸ばし、ゾロがいなくなって寂しさを訴える蕾に指を差し入れた。
「 ―――は・・・ぁっ 」
段々と大胆になって行き、指が増やされる。
「 ああ、あ・・・っ 」
足りない。あの熱い棒で奥を掻き回して欲しい。
早く、早く。
自分の短く細い指では気持ち良くなれないのだ。
射精する事を漸く憶えた性器にも指を絡めて扱きたてる。
「 ご主人様ぁ・・・っ 」
早く・・・早く帰ってきて欲しい。
「 ―――ふ・・・っ 」
かすかな笑いが聞こえ、視線を巡らせると、いつ戻ってきたのかそこにゾロが立っていた。壁にもたれ、
先程までサンジを責め苛んでいたいやらしさは微塵も感じられない。
あの書斎への扉をくぐると彼はまったく違う人格になってしまうようだった。
ゆっくりと近付き、片膝を地面につくと、ゾロはサンジの蕾を覗き込んだ。
「いい格好だな、サンジ」
「み、見るな・・・」
慌てて抜こうとした指を長い指が押し戻す。
そのままサンジの手首に指を沿えて抜き差しを助けた。
「嫌・・・あ、・・・っ」
何度かゾロの放ったもので中はヌルつき、充分に解れている。
白濁した体液が抜き差しを繰り返す指の間から滴り落ちてシーツを濡らした。
「自分の指で感じるなんていやらしいな…。ここに俺が欲しいかい?」
ゾロに見られていると思うだけで、サンジは快感に身を仰け反らせた。
「ほ・・・欲しい、お願い・・・!」
「・・・・・・・・・いい子だ」
希望通り貫かれて、サンジは嬌声を上げた。
ゾロが息を止めて腹部に力を入れるたびに中のモノがぐいぐいと敏感なところを擦り上げる。
「動かなくてもイけそうだな」
意地の悪い囁きにサンジは縋りついた。
「こんなんじゃ足りな・・・・・・早く・・・っ」
「早く?どうして欲しいんだ?」
「もっと・・・ッ」
「――――ちゃんと言わないとこのままだぞ・・・?」
「早くご主人様でかき回してください・・・っ」
望んだ通り灼熱の棒で中を満たされる。
彼に抱かれている間は何もかも忘れられた。
いつしか少女達のために抱かれているという感覚は薄れ、サンジの身体はゾロを待ち焦がれるようになっていた。
「ごめんね。ありがとう・・・サンジ」
女の子達は泣きながら、謝りながらゾロに連れられて書斎へと続く階段を登って行った。
一人、二人と去って行き、サンジは安堵した。
この日も少女を連れて書斎に上がったゾロが塔内に戻ってきた。
ぐったりとベッドに横たわったサンジの髪を長い指で梳く。
隣りに寝転がり、その腕で包み込むようにしながらサラサラの髪に口付ける。
ゾロとの激しい性交で汗ばんだ肌がしっとりと掌に心地いい。
「お前以外誰もいなくなったな。どうする?サンジ」
「女の子達は・・・?」
「約束通り全員ちゃんと外に出した。お前も外に出たいか?」
サンジの中心を握りこんで揉みしだくと、細い腰が頼りなく揺れ、首が横に振られた。
「ここに・・・っ・・・ずっといたい・・・です・・・」
「ここにいて、どうするんだ?」
言葉で答える代わりにゾロに圧し掛かってシャツを肌蹴させた。
逞しい胸元が露になるとそこに唇を落として、強請るような甘い吐息と共に紅い華を咲かせていく。
その間にも両手はゾロの身体を隠す洋服を脱がせようと忙しなく動き回っている。
鈍い光沢のあるサテン地のスラックスの前を寛がせると、半ば立ち上がったモノが存在を主張していた。
唇と鼻先で腹部から茂みに覆われたそこまでをやわやわと緩く愛撫し、自分を穿つ愛しいモノの先端を口に含んだ。
もう誰も見ている者がいないという開放感からか、口淫はいつになく激しかった。
括れが頬の柔らかい肉を擦る度にじゅぷじゅぷと淫らな音がする。
「サンジはおしゃぶりが上手いな・・・」
大きな掌が髪を撫ぜる。
サンジはゾロのペニスを咥えながらうっとりと彼を見上げた。
この猛々しい肉棒が連れて来てくれる感覚を思い出しているのだ。
先端が気持ちのいいところを的確に突き上げ、ゾロの脈打つ音までもが体内に伝わるようなあの快感。
「は・・・っサンジ・・・!」
ゾロの低い声が気持ちの高揚をサンジに伝える。
彼もまた、早く繋がりたがっているのだと知って、サンジは口付けを求めた。
「早く欲し・・・ご主人さまぁ・・・ッ」
「なら教えたとおりに」
従順なサンジがゾロの好みのやり方で奉仕し、蕾を解していくのを見つめながら、彼は口元に酷薄な微笑を浮かべた。
あの小さな蕾はゾロの雄を根元まで受け入れ、女の身体では得られなかった充足感を与えてくれるのだ。
今まで数え切れないほど女を抱いたが、誰もゾロのすべてを飲み込むことが出来なかった。
はじめはただ肉体の事だけだと思っていた。
だが、抱くたびに苦痛を訴えかける女達を見ていると、段々拒絶されているように感じるようになってしまった。
肉体だけではない、ゾロのすべてを。
苦痛を強要したいわけではないのに、女達はゾロとのセックスを敬遠するようになってしまったのだ。
「 ここに・・・欲しいか? 」
張りのある先端で蕾の周りをなぞる。
その刺激さえもサンジには我慢できないものだとわかっていて、ゾロはその動作を繰り返した。
とろとろと滴り落ちる先走りの液がサンジの蕾の周りを潤していく。
たまらずにサンジがゾロの灼熱の棒を自らの手で導いた。
「早く、入れて・・・っ」
受け容れやすくするために自ら大きく足を開き、自分の唾液でベタついたゾロを自ら蕾に潜り込ませる。
細かく柔らかい襞に括れが引っ掛かると、漣のような快感がサンジを刺激した。
「 ん・・・、ぁく・・・っ 」
「 ・・・いい子だ。ほら、まだ全部入っていないよ 」
小さな身体を懸命に揺すらせ、少しずつゾロを飲み込んで行く。
中ほどまで埋没させると、ゾロは意地悪く腰を退けた。
「――――嫌、もっとくださ・・・っ 」
その度にサンジは泣きながら満たして欲しいと懇願し、手に添えたゾロがこれ以上逃げて行ってしまわない
ようにと、指先に力を込めた。
目の前の痴態を見るだけで、ゾロの吐く息は荒々しさを増した。
身体をすべて繋げる事ができるのは幸せな事だと、サンジを抱いて初めて気付いたのだ。
こんな風に体中で求められ、与える事ができるのは至福だった。
あの少女達を抱いた時も自分の快楽だけを追う事しか考えず、優しい言葉も、キスも何も与えはしなかったというのに。
サンジには口付け、胸に抱き込んでやりたいと思うのだ。
身体の中に挿入させた亀頭がサンジの肉壁に揉みしだかれ、堪えようのない気持ち良さを連れてきた。
「サンジ・・・、サンジ・・・っ」
自分を待っているそこにすべてを押し込み、間髪いれずに腰をグラインドさせた。
「ああ、あ・・・っご主人、様・・・!」
肉襞が絡みつき、ゾロのすべてを搾り取ろうとする。
ゾロは背を逸らせて大きく喘ぎ、込み上げる射精感を堪えた。
「そんな、に・・・締め付けるな・・・ッ」
そんなに貪らなくても、これからいくらでも注ぎ込んでやるから。
見下ろしたサンジの顔は涙で濡れていた。
開いた口元から零れる喘ぎ声と、うつろな瞳が映し出している淫蕩な輝きが、苦痛ではなく、快楽から涙を
流しているのだと教えてくれる。
細くしなやかな腕がゾロを引き寄せ、より深く咥え込もうと一層大きく脚を開く。
「俺のはおいしいか?サンジ・・・―― 」
「ああッ、イイ・・・っ――・・・っおいし・・・で、す・・・っ 」
サンジは涙を止めることなく流しながら更なる快感を懇願する。
ゾロは求められるままに腰を打ちつけた。
肌が当たる度に小気味良い音が響き、サンジの嬌声とゾロの喘ぎと、接合する濡れた水音が塔の厚い壁に
吸い込まれて行く。
ゾロは上体を倒して、サンジの耳元に唇を寄せた。
「愛しているよ・・・サンジ」
「・・・・・・あぁ・・・っは、ぁッ」
「かわいいサンジ・・・・・・お前は皆を助けたつもりだろうが・・・ 」
囁きは嬌声にかき消され、サンジの耳には届かない。
細く頼りない腰は更なる快楽を求めて揺れつづけている。
「――――生かしたまま外に出してやるとは・・・・・・、俺は約束しなかったな・・・?」
ソロの囁きは快楽の谷に落とされたサンジにはもう聞こえはしなかった。
書斎のベルはその日から二度と鳴らされる事はなく。
誰も訪れる事のなくなった南の塔には、サンジの嬌声とゾロの囁く優しい言葉だけが響き渡るようになった。
高台にある大きなお城には、ロロノア・ゾロと言う名の貴族が住んでいました。
彼の孤独を慰めるため、たくさんの若い娘がメイドとして城に行きましたが。
誰一人そこから帰ってきた者はおりませんでした。
誰一人。
帰ってきた者はおりませんでした――――・・・・・・・・・・・・。
END
青髭をモチーフにした悪ゾロ様です!!
ゾロがどこまでも冷徹で残忍で、好き〜〜〜〜〜〜vv
メイドサンジと言う思いがけないおまけまで付いて、グリム独特の雰囲気が生かされてますよ。
うわーん、思わせぶりなラストもいいvv
このまま永遠に、どこからともなく夜な夜なサンジの嬌声が響くんですね。
ううん、ゴシックホラー(違)
これもまたハッピーエンド、と思っております。
淫靡で切ない悪ゾロ様、ありがとうございますvv
