赤鋼の宵
【尊様】





その気配に気付いたのは、彼が朝食の仕込みを終え、ハンモックに入ったばかりの、まだ眠りについて
間もない頃だったせいというわけではない。
周囲に視線を巡らせ、目を凝らして見れば、他の男達はそれぞれ騒々しいほどのいびきを立て、
目を覚ます気配もない。
元より、あの程度の物音で起きるような繊細さなど持ち合わせている者など一人としていないが。
サンジとて、この程度の物音ならば普段はさして気にも留めないし、何より今はあの剣士が見張りをして
いるのだから、敵襲があったとしても全く心配はない。
何もない時には全く役にも立たない寝腐れ剣士であるが、逆に何かあった時には寝腐れていたことが
嘘のように目を覚まし、あっという間に敵を片付けてしまうのだから、こと戦闘に限って言えば、彼ほど
頼りになるものはいないと言える。
だから今夜も、全てゾロに任せ、そのまま何事もなかったように眠りに就いてしまえばいいのだ。
しかしサンジは、そっとハンモックを下り、月明かりも乏しい夜の甲板へと踏み出した。
自分を呼ぶかのようなその「気配」に誘われるままに。


自船の甲板には一人の姿もなかった。
もちろん、不寝番のはずのゾロの姿も。
見ると、自船から数10mの距離に、他海賊のものと思しき船がある。
サイズはこのメリー号とそう変わらぬくらいだろうか。
そう大きくもない無名の新興海賊団なのだろう。
そうでなければ、この程度の規模で「麦わら海賊団」に喧嘩を売るはずもない。
とりあえず様子を見に行くか、とサンジはシンと静まり返った敵船に向かった。




そこに広がっていたのは地獄だった。
いや、命を落としている者は見たところ一人としていないのだから、「生者の地獄」と称した方が正しいかもしれない。
至る所から、呻き声やらすすり泣く声やらが聞こえてくる。
彼の剣士に剣の道を教えた師は、他の命を決して奪わない「生かす剣」を授けたという。
故に、ゾロはそれがたとえ自身の命を狙ってきた相手であろうとも、決して命を奪おうとはしない。
自身へと再び向かってくる力と、闘う意志のみを奪う剣。
しかし、それはその一時の話ではない。
彼と対した者は、未来永劫「戦う」という意志を失う。
体の奥底まで刻み付けられた、その恐怖故に。
彼の剣士によって「魂」を斬り捨てられた者達は総じて皆、いっそ命を奪われた方がマシだと思うのだ。


驕り高ぶる者には、死と同等の恐怖と共に地獄を。
清廉な剣士には、敗れても尚深い満足感と無気力を。
この男の剣は等しく与える。


その敷き詰められた生ける屍の中央、自らが作った地獄の頂点に、彼の男は立っていた。
月を背景にしたその姿は、まるで闇そのもののようだ。
底のない闇のような姿形の中、唯一存在を示すその瞳は、自らが流させた血の色に光っている。
その瞳とかち合った瞬間、サンジの背をゾクリと震えが駆け上がった。
体は石像にでもなったかのように動かない。
けれど、それは恐怖などではないと確信している。






これは――――――




魅了だ。






先に視線を外したのはゾロだった。
自ら斬り捨てたものに全く興味を失ったかのように、倒れ伏す男達に一瞥もくれることなく、サンジの横すら通り過ぎていく。
だが、自身の真横に至ったその刹那、確かにちらりとこちらに投げ掛けられた視線に、サンジは気付いていた。
その視線に射抜かれ、震える自身の体を自覚する。
そしてサンジもまた、彼の男によって作り出された地獄には一瞬も視線を流すことなく、ゾロの背を負った。
まるで、彼の男に引き寄せられるかのように。




船に戻ったゾロが向かったのは、見張り台でも、男部屋でもなく格納庫だった。
それが当然であるかのように、サンジもまたその後に続く。
そして部屋に入った途端、ゾロは背後に付き従っていたサンジの腕を振り返りざまに強く引いた。
扉が閉まる音と、サンジが床に引き倒される音が重なる。
人工の光が無く、窓から漏れる月光のみが唯一の明かりである暗い部屋の中、見下ろすゾロがゆっくりと口を開く。

「咥えろ・・・・・」

短く、端的なその言葉。
闇の深淵から響くようなその低い声には、逆らうことを決して許さぬ絶対的な強制力がある。
このような不遜な台詞、普段ならば即蹴りを入れてやるところだが、今夜は違う。
サンジは黙したままゾロの足元に跪き、彼のズボンに手を掛けた。


カチリ
チチチチ・・・・・・


命じられるまでもなく、自らファスナーに歯を当て、口で前を開けていく。
布を掻き分け取り出したゾロの雄は、早いきり立ち、グロテスクな鎌首を持ち上げている。


――――コクリ。


知らず、サンジの喉が音を立てる。




『欲しい・・・・・』




サンジがそう思ったのと、ゾロの手が彼の頭に掛かったのはほぼ同時だった。

「しゃぶれよ・・・・・・」

「うぐっ!」

その言葉を合図に始まった注挿は、まるで実際の行為を模しているかのように激しく、容赦のないものだった。

「ぐっ・・・・うっ・・・・・!」

(く・・・・・るし・・・・・!)

ただでさえ平均から見てもかなり長大なそれは、今夜は更にその質量を増している。
口の中どころか喉の奥まで犯され、苦しくてたまらない。
それでもサンジは、それに傷など付けぬよう大きく口を開き、舌を絡めて奉仕を続ける。
強く掴まれた頭も痛い。
顎も外れそうだし、舌や喉は痺れそうだ。
けれど、ガツガツと口内を犯され、サンジの体は確かに悦んでいた。
無論、乱暴にされて興奮を覚えるような性癖は持っていない。
このような狼藉、普段のゾロがやったならば決して許さないだろう。
それこそ、半殺しにした挙句に海へと捨てる。
間違いなくそうする。
しかし、今のゾロはいつものゾロではない。






「ゾロ」であって、「ゾロ」でないものなのだ。






戦闘後のゾロの異変に気付いたのはいつだったか。
既にグランドラインに入ってからのことと記憶しているが、もはや始まりの記憶すら怪しい。
戦闘におけるゾロの集中力と気迫には目を見張るものがある。
まだ十九歳という若さとはとても思えないその気配は、彼がこれまで歩んできた険しい道をそのまま映し出しているに違いない。
グランドラインに入って数々の強敵と対峙することで、その力量と気迫には更に磨きが掛かり、サンジは時にその姿に
魔獣どころか闘神を見ていた。
悔しいが、彼はどんどん強くなる。
戦いが、ロロノア・ゾロを確実に強くしていっている。
強敵との戦いを一つ経るごとに、彼は一歩一歩大剣豪へと近付いているのだ。
けれど、そんな彼にも決定的に未熟な点があった。
「それ」は戦闘後、とりわけ、左程の相手でもない敵との戦いに簡単に勝利した後に起こる。
サンジが「それ」に気付いたのは、ほんの偶然だった。
初めて「それ」を目の当たりにした時、本当にこれがあの気高く誇り高い「ロロノア・ゾロ」なのかと我が目を疑った。
しかし同時に、彼の中に起こっていた歪みにすぐさま気付いた。
急激に強くなった肉体に精神がまだ付いていっていないのだと。
その「ズレ」が彼をこんな姿にしている。




そう。
彼らしからぬ強く激しい欲求に支配され、その荒ぶる感情を一人震えながら耐え忍ぶロロノア・ゾロの姿に。




真っ暗な格納庫の片隅、月の光すらも届かない闇の中で、自らの体をきつく掻き抱くその姿は、手負いの獣そのものだった。
常の堂々とした彼とはあまりにかけ離れた姿を前に茫然と立ち尽くすサンジを、ギラギラとした眼で睨み付け、地を
這う様な低く掠れた声で「出て行け・・・・・」と呟いた彼の様子は明らかに尋常ではなかった。
サンジはその眼に見覚えがあった。
まだバラティエにいた頃、時折現れた、客とは呼べぬ者達。
食べ物に、飲み物にすら飢え、あの海上レストランにようやく辿り着いた者の飢餓に満ちた双眸。
それに限りなく酷似していたのである。
あの眼を、自分の養い親であるゼフと、そして自分は、温かくうまい食事を与えることで、深い安堵と満足感と幸福で
満たしてきた。
その眼と同じ眼を見捨てることなど、サンジにはできない。
そしてサンジは、飢え乾いたケダモノにその手を伸ばしたのだ。
結果、サンジはゾロによって文字通り蹂躙されたのである。
普段の粗雑さに似合わず、行為の時のゾロはいつだって丁寧に優しく自分に触れていたというのに。
それはさながら、飢えた獣が獲物を捕食するかのようだった。
その時既に、サンジはゾロと身も心も繋がっていたが、その一夜の出来事はサンジに大きな衝撃を与えた。
一つは、無論、想像だにしていなかったゾロの変化に。
そしてもう一つは、ゾロに力で屈せられ喰い荒されることに暗い悦びを覚えてしまった自分自身に。
乱暴で情の欠片もない、ただ欲望を解消するためだけに貪り尽すような行為にも、確かにサンジは感じていたのだ。
まるで、野生の王を前にした哀れな被捕食動物のように、荒ぶる彼を前に、心も体も無意識のうちに平伏してしまって
いたのである。
それは感情を遙かに超えた、逃れることなど不可能な絶対的支配故に。
翌朝になって正気を取り戻したゾロは、自身がしてしまった取り返しのつかないことに大きなショックを受け、サンジに
対して膝を折ってまで深い謝罪をしたのだが、サンジはそれをあっさりと許した。
しかし何はともあれ、理由を聞かなければならない。
聞けば、こうなるのは昨晩が初めてではないらしい。
グランドラインに入って暫くしてからのことのようだが、数度、同じような精神状態になったことがあるという話だった。
けれど「それ」が起こるのは限られた時であり、戦闘後、しかも弱者との戦いにあっさり勝利してしまった時だけなのだという。
それも毎回ではなく、長く戦闘がない平和な日々が続き、ようやくあった戦闘がそのようなあっさりしたものに終わる
という特殊な状況下。
その話を聞いてサンジはすぐさま理解した。
あの時予想したことは、やはり間違いではなかったようだ。
戦いの申し子であるゾロが、一つの戦闘の中で発散するエネルギーは凄まじい。
そのエネルギーは、戦いのない平和な日常の中で少しずつ蓄積していき、戦いの際に一気に爆発するのだ。


しかし、それが発散するのを阻まれた場合はどうなる?


その結果が、昨夜のゾロだ。
行き場を失ったエネルギーは破壊衝動となってゾロの精神を支配する。
まるで、別の人格が体に乗り移ったかのように変化する心。
それを今まで、ゾロは一人で歯を食いしばってぐっと耐えてきたのだ。
未熟な己を責めながら。
それは彼が強くなったという証拠であるし、実際そういった衝動を今までは抑えられてきたのだから、心身共にゾロが
成長している証と言えるのだが、自分に厳しい彼には許し難いことなのだろう。
そんな状態の彼に、自分はただの興味本位と自己満足だけで触れてしまったのだ。
それこそ、許し難い罪だ。
そう思ったサンジはその日から、ゾロがあの夜の時のように正気を失うたび、自らの肉体を進んで差し出す様に
なったのである。
この先何があろうと、この男と共に歩むと決めたサンジにとって、この決断は当たり前のことだった。
いつか、ゾロはこれを乗り越えて精神的にもっと強く成長するに違いない。
その日が来るまで、自分が彼を支えようと心に決めたのだ。
この男と対等であるために。

「余所事考えてる余裕があるみてえだな・・・・・」

「ふぅっ!?んぐ・・・・んっ!」

獣並みに気配に敏いゾロは、サンジが別のことを考えていることに気付いたらしい。
それが自分のことなのだとは知るよしもないゾロは、更に激しく腰を打ち付け始めた。

「んっ・・・・・んうっ!ぐっ・・・・・!」

長く太いそれに喉を突かれ、吐き気すら覚えながらも、サンジは震えるほどの快感を覚えていた。
足の間で自身が何の刺激も受けずとも硬く勃ち上がっているのが分かる。
早、先端が濡れてしまっているのを感じるけれど、そこを自ら慰めることすら許されない。
解放されることなく、体の中に滞留していく深い欲情に苛まれ、狂いそうになりながらも奉仕を続けていると、口内で
ビクビクと猛りきったそれの先端がひくつき始めた。
彼もまた限界が近いようだ。
それが嬉しくて、一層激しく舌を動かせば、頭上から小さく呻く声が聞こえ、乱暴に口内から性器が引き出された。
ぶるりと弾けたそれに頬を叩かれ、自身の舌とそれとの間に白く糸が引く。
口の中に出してもよかったのに何故出してしまうのかと責めるような、窺うような目で見上げた先には、眉を寄せ、
整った顔を快感のために僅かに歪ませたゾロの表情。




ゾクリ――――――



サンジの背が欲望に震えた。
この男は、戦っている時と、SEXをしている時が一番セクシーだと思う。
その表情に見惚れていると、不意に目の前で白いものが飛び散った。
何が起こったのだろうと茫然としていると、頬に生温かい感触。
顔射されたのだと自覚した瞬間、体の中に蓄積されていた欲望が一気に膨れ上がった。

「アッ!あ・・・・・あっ・・・・・」

下着の中で、限界まで張り詰めたそれが精を放っているのを感じる。
ヒクリヒクリと震える体を止めることができない。
真っ赤に染まった頬を滑り落ちていく涙と白濁とが混じり合い、顎を伝う。
黙したままそれを掬い上げた指先を差し出すゾロ。
テラテラと鈍く光る野太い指を前に、コクリと喉を鳴らしたサンジは、腹を空かせた猫のような仕草で、その指に
むしゃぶりついた。
塩辛さと青臭さの入り混じった独特の味が、理性を喰い破っていく。
夢中で精を舐めとるサンジの姿を笑いながら見下ろしていたゾロは、ブーツを履いたままの足先で、放ったばかりの
サンジの性器をズボン越しに緩く踏み付けてきた。

「ふっ・・・・あっ・・・・・!」

それにすら感じて見せたサンジは、もっとと求めるように腰を擦り付けてくる。

「触ってもねえのにイっちまったのかよ。この淫乱。」

「ひんっ!」

蔑むようなその台詞にすら感じるサンジの様子に、言葉とは裏腹にゾロの表情は満足気だ。
よく躾けられた犬のように次の命令をじっと待つサンジに、笑みを含んだ声が下される。


「こんなもんじゃ足りねえんだろ?どうしてほしいのか言ってみろよ淫乱。」

待ちに待ったその台詞に、サンジは意地もプライドもかなぐり捨てて乞うた。
「このゾロ」の前では、そんなくだらないものは必要ない。
今、ゾロは絶対的支配者であり、サンジは彼に従う性の奴隷なのだから。

「お・・・・れに・・・・いれて・・・・ください・・・・・」

サンジから返された言葉に満足したらしいゾロは、ニィッと歯を剥き出して笑うと、

「ぶち込んで欲しいなら、ふさわしい態度があるだろ?」

次の命令をサンジに与えてくれた。
するとサンジは、ゾロの気が変わらないように極力急いで衣服を全て脱ぎ捨て、彼の前に四つん這いになって
剥き出しの尻を差し出した。

「ここに・・・・・挿れてください・・・・・」

ゾロの前に晒された後孔が期待にひくついているのが分かる。
普段ならば決してできない行為。
けれど、羞恥心などとうに消し飛んでいるサンジには、こうした姿をゾロの前に晒しているという事実すら、快感に
なり変わっていた。
健気にも、ゾロの訪れを待つサンジの背後で彼が動いた。
大きくて熱い乾いた手が自身の尻を鷲掴む。

(くる・・・・・)

「イイ声で啼けよ・・・・・」

「ヒアアァァッ!!」

ぐぷりと音を立て、容赦無く一突きで最奥まで穿つ凶器のような雄。
慣らすことなどしていないソコは、目一杯広がってゾロを受け入れている。
普段ならば、ゾロが丁寧にしつこいほどよく解してからでないと挿入しないその場所は、乱暴な行為に傷ついても
おかしくないのだが、「このゾロ」を前にすると、サンジの体は驚くほど柔らかく変化してしまうため、急な挿入でも
傷つくことはなく、むしろ、串刺しにされた瞬間、脳髄までも強烈な快感に突き刺され、あまりにヨすぎて意識を
失いそうなほどだ。
今夜も、欲しかった楔を打ち込まれ、放出することなく感覚だけの絶頂を味わったサンジは、意識が途切れかけ、
そのまま崩れ落ちそうになったが、なんとか足と腕を踏ん張って体勢を整える。
全ては、ゾロにヨくなってもらうために。
気遣いなど微塵もない粗野そのものの動きでガツンガツンと奥を抉られ、サンジは髪を振り乱して善がり狂った。

「ヒィ!はっあ!ああっ!ひん!」

「くっ・・・・痛ェほど締め付けてきやがる・・・・・・んなにイイのかよっ?」

「はあっ!イ・・・・イイッ!すげ・・・・・イイよぉ・・・・・!!」

ガクガクと体を揺す振られ、涎と涙を振り零しながら、サンジは背をしならせ、夢中で頷いてみせる。
仄かに赤く染まった背に浮く汗が、乏しい月光に光る様がいやらしい。
小さな尻は、ゾロの凶悪なほどに野太い雄をぎっちり咥え込んで、ピクピクと嬉しげに痙攣を繰り返している。
汗で金糸が張り付いた項に猛烈に噛み付きたくなった。
ゴクリと喉を鳴らしたゾロは、汗が滴って視界の悪くなった右目をぐいっと拳で拭い、獲物を前にした虎のように
真っ赤な舌で、ペロリと舌舐めずりした。

「なら・・・・・もっとケツ振れよ。こんなんじゃ俺はイけねえぜ?」

「ひぁっ・・・・はっ・・・・・んんっ!」

言葉で煽られたサンジは、気持良さでビリビリと痺れてしまっている体中になんとか力を篭め、ゾロを絶頂に
導くために盛んに腰を振った。
それに触発されたのか、ゾロの動きも激しさを増す。

「はっ・・・・はっ・・・・」

「アアッ!あっ、アッ!」

高められた体は限界を訴えるのも早く、まだイきたくないと抗うサンジの意思に反してすぐさま絶頂を手繰り寄せた。
サンジの体内の動きに、ゾロは彼の限界を知り、その背に胸を付け、耳許に唇を近付けると。

「イけ・・・・・」

尖りきった乳首を磨り潰す様に捻り上げながら、欲情に低く掠れた声で命じられた瞬間。

「ッ・・・・・!!!!」

まるで天が堕ちてきたかのようなズシリと思い強烈な絶頂感に、声を上げることもできず、サンジは目を見開き、
中空に舌を突き出しながらぶるぶると震えた。
夥しい量の精が、パタパタと乾いた床に落ち、シミを作る。
その際の凄まじい締め付けにゾロもまた限界を覚え、数度腰を前後させた後、

「くっ・・・・・うっ・・・・・」

低く呻きながら、いまだ小刻みな蠕動を繰り返しているサンジの最奥に灼熱の本流を流し込んだ。

「あっ・・・・・あっ・・・・・」

ゾロの性器ですら届かないずっと奥を犯されたサンジは、また軽くイってしまい、そのまま冷たい床に倒れ込んだ。
そのことで楔が抜け落ちた後孔からは、飲み込みきれなかった白濁がトロトロと零れ落ちて床に向かって白い筋を
描き出している。
その様を眺めていたゾロはうつ伏せていたサンジの体を返し、真上から顔を覗き込む。

「まだ飲めんだろ・・・・・?」

問い掛けられたサンジは返事をする代わりに、両腕を両膝の裏に引っ掛けて左右に開いて見せた。
次なる蹂躙を待ちわびて。









夜はまだ、終わらない。






再び重なり合った二人の姿を、赤い月だけが冷たく見下ろしていた。




END


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