Hungry Spider 【Natsu様】
「重い、どけ」
コトが終わるとサンジは最中に甘えるように縋りついてきたことさえ嘘のようにつれなくゾロから放れようとする。
ゾロがサンジの隣に仰向けになって寝転がると、サンジは片手で床に放り出されたままのシャツを引き寄せて、
胸のポケットから煙草を引き抜いた。
シュッとマッチをする音がして、紫煙が闇に散った。
サンジはゾロに背を向けるように横を向き、ふう、と煙を吐き出した。
二人の関係はサウザンドサニー号に乗船する前、ゴーイングメリー号で旅をしていた頃から続いていた。
この関係に名前をつけるものは何もない。
どちらが手を伸ばし、どちらがそれに答えたのかさえ今となっては無意味だ。
ただ気が向けばどちらかが視線を投げかけ、そしてどちらかが合図のように瞼を伏せる。
気がつかないふりをされれば、それはNOと言う合図。いつの間にか出来た暗黙の了解だった。
ここ数日はゾロがどんなに誘ってもサンジは気づかないふりを続け、ついにキレたゾロが風呂上りのサンジを拉致して
図書室でコトに及んだ。
当初は抗っていたサンジだが、ゾロの手で与えられる快楽を知る身体は、その手管にあっという間に落ちていた。
「あああっ」
切なげに繭を寄せ、震える身体は悦楽の扉を開け、濡れてゆく。
大して慣らしもせずにここ数日のお預けにはちきれそうになった楔をその身体に埋め込めば、「ああっ」と叫びながら、
一瞬抗うような仕種を見せるサンジの手を顔の横で拘束して奥まで突き入れる。
サンジが背筋を硬直させて息を止めた。
サンジの思考が戻ってくる前にゾロは楔を出し入れさせ始める。
半開きになった唇から喘ぎ声が漏れ出して、ゾロはニヤリ、と笑った。
何度も重ねた身体はいいトコを突いてやると際限なく乱れ始める。
身体がともに快楽の熱を発して、溶け合えば、身も世もなくサンジはゾロにしがみつき、そのきれいな背中に爪を立てた。
「イイ・・・ソコ・・・あうっ」
より一層奥を穿てばサンジの腰が揺れてソレを味わうように動く。
ゾロは出し入れする動きを止めるとゆっくりと腰を回して収縮して引き込むようなその柔らかい熱の場所を探った。
サンジはもうただ、打ち寄せる悦楽の波間に思考の全てを投げ出して、ゾロが与える感覚にただ酔っていた。
やがて二人の呼吸が荒くなり、ゾロが楔を強くサンジの奥に打ちつけ始める。
サンジが嬌声をあげて髪を振り乱して身悶え、そしてゾロがその飛沫をサンジの奥に撒き散らした瞬間、サンジは全身を
強張らせて触れられてもいない前から精液を放った。
サンジの目がうつろに宙を彷徨う間にゾロは何度もその上気した顔に口づけを落とす。
素面の時には絶対にサンジはゾロにキスをさせない。
キスはしない。
そして、コトの最中の絶対に相手の名前を呼ばない。
それがこの関係を始めた時にサンジがゾロに出した条件だった。
やがてサンジの呼吸がだんだん落ち着いて来て、その目がゾロを捕らえた。
「重い、どけ」
コトが終わるとサンジは最中に甘えるように縋りついてきたことさえ嘘のようにつれなくゾロから放れようとする。
ゾロがサンジの隣に仰向けになって寝転がると、サンジは片手で床に放り出されたままのシャツを引き寄せて、
胸のポケットから煙草を引き抜いた。
シュッとマッチをする音がして、紫煙が闇に散った。
サンジはゾロに背を向けるように横を向き、ふう、と煙を吐き出した。
「テメェ、ナミさんの測量机の前でなんてヤりやがって・・・」
サンジが憎憎しげに呟くように言う。
「てめェがいつまでたってもゴネてヤらせねェからじゃねェか」
ゾロが事もなげに言うと、
「・・・ゾロ」
サンジはふう、と煙草の煙を吐き出しながら、「もうやめねェか」と、吐き出すように言った。
「・・・何をだ」
「こんな不毛な関係だ」
ゾロはその言葉に驚かなかった。
いつの頃からか、サンジがいつかそう言い出すだろうと言うことは予測していた。
が。ゾロはサンジを手放すつもりは毛頭ない。
「やめる気はねェな」
「ざけんな」
サンジがゾロを振り返った。
「コイツはお互いの合意の上に成り立ってた関係の筈だ。オレかテメェがやめてェと言えば、それまでだろうがよ」
「・・・・なんでやめてェ?」
睨み付けるように見るサンジに同じくらいの気迫を込めてゾロはサンジを睨み返す。
「飽きたんだよ」
サンジが言った。
「テメェとやるのに飽きたんだ。他に何か理由がいるか?」
サンジはそれ以上のゾロの言葉を遮るようにさっさと立ち上がると、散らばった服を拾い集め、「テメェのせいで、また風呂に
入らねェといけねェじゃネェか」と嘯き、軽く身を整えると浴室へと続くはしごを上って行った。
「飽きた、だと?」
呟くように言ったゾロの回りの空気がどす黒く揺らめいた。
サンジは魚人島に行く途中で寄った島をふらふらと歩きながら、煙草の煙をフーッと吐いた。
いつか言おうと思っていたことだった。
ゾロを誘ったのは自分の方だと覚えている。酒に酔った振りをして、ゾロに圧し掛かり、身体の関係を持った。
その時の具合がどうやら良かったらしく、それからはゾロからもたびたび誘いが掛かるようになり、小さな船での男同士の
ただの処理だと言い聞かせながら、ゾロとの関係を続けてきた。
が。
ゾロと身体を重ねる度に何故か深まる懊悩。
多くは望まないと決めていた筈なのに。
ゾロに抱かれる度に我を忘れて縋りつく自分が怖いとさえ思う。
いつか真実を吐露しそうで、サンジにはそれが何より恐ろしかった。
真実を知った時、あの男がどうするか、サンジには目に見えるような気がした。
ただの欲求を吐き出しあうだけの関係なら、躊躇はしなくても、もしサンジがゾロに惚れていることを知ったなら、ゾロは
おそらく二度と指一本触れなくなるだろう。
本気の気持ちを自分の欲求のはけ口にするような男ではない。
だが、もう時間がない。
サンジはもういつ、自分のその気持ちを吐露してもおかしくないような状況だった。
追い詰められて、サンジが出したの答えは、自分からこの関係をなかったことにすることだった。
「潮時だぜ・・・」
サンジは呟いた。その時。
「おにーさん」
後ろからさわやかな少女の声がした。
振り返るとまだ十やそこらの少女だろうか。サンジを見てニコリと笑う。
「何だい、リトルレディ」
サンジは微笑ってその少女の前に膝をついた。
「さっきから見ていたら、この島の珍しい食材ばかり集めているのね」
「ああ、船に乗るコックなもんでね。珍しい食材には目がないんだ」
おどけて言うと、少女は、ふふ、と笑った。
「じゃあ、わたしがこの島の一番珍しい食材の場所に案内してあげるわ」
少女がニコリと笑って言う。
「この島の一番珍しい食材?」
「そう。おにーさん、耳かして。内緒よ」
言われてサンジは少女の唇に耳を寄せた。その瞬間。
チクリ。
首筋に微かな痛みを感じる。
しまった、と思った時には遅かった。
相手が少女だと言うことに油断していた。
目の前がぶれる。
意識がゆっくりと遠のく感触をサンジは感じていた。
「・・・リトルレディ?」
「ごめんね、おにーさんには少しも恨みはないんだけれど、おにーさん麦わら一味のコックなんでしょ。ちょっと囮になって
欲しいの。大丈夫よ、その薬、即効性はあるけれど、危険性とか常習性とかは全然ないから。麦わらの一味を一人でも
呼び出せればそれでいいの」
少女は悪びれた様子もなくそう言った。
サンジが道に倒れこむのと同時に数人の少年少女たちが街角から飛び出してくる。
この島のストリートチルドレンたちだ。
「お前、何、やってんだよ。オレンジ色の髪の女を捕まえるはずだったじゃないかよ」
「そうよ。誰よ、この男。手配書にはなかったわよ」
「いいじゃない、この男を囮にしてオレンジの髪の女を呼び出すのよ。皆で捕まえて海軍に差し出せば1500万ベリーよ。
しばらくはずっとごはんに困らないわ!」
遠のく意識の中でサンジは自分の周りに集まってきた十数人もの少年少女たちの会話を遠く聞いていた。
「こら、ガキども!言う通り、あたし一人で来てやったわよ!」
サンジが目を覚まししたのは愛しのナミの声が遠くで聞こえたような気がしたからだ。
「出て来なさい!」
その迫力たるや凄まじい。
ああ、凛々しいナミさんも素敵だぁ、とぼんやりする頭でサンジは思って、はっと我に返った。
自らの現状はどうやら思わしくないことにあると気づく。
両手に手錠を掛けられ、天井から吊るされているようだった。
かろうじて足が床についているような上体だ。
視界が暗いのはどうやら目隠しをされているらしい。
ああ、ナミさん。
キミに迷惑を掛けることになるなんて。
「あ、てめェ、卑怯だぞ!一人で来たって言ったじゃねぇか!」
「馬鹿ね。人質とって脅迫してくるようなガキに卑怯も何もあるわけないでしょ」
「いでっ」だの「痛い」だの「あうっ」だの言う子供たちの声が聞こえてくるのはどうやらナミの愛の拳骨が落ちたらしい。
声が若干遠く、くぐもって聞こえるのは、扉を何枚か隔てているせいだろう、とサンジは察した。
全神経を耳に集中させて辺りの様子を探る。
この部屋にいるのはどうやら自分だけらしい。
「麦わらの一味を敵に回そうなんて、いい度胸してるじゃないの。一人残らず、地獄に送ってあげてもいいのよぅ」
ドスの聞いたナミの声が聞こえるが、サンジはその声にどこか冗談めいた響きを感じる。
子供たち相手に本気でどうこうしようとしているわけはないだろうが、子供たちをビビらせるには相当の効果があったらしい。
「フランキー、ウソップ。この子たちを船に案内してあげて。・・・何、怪我してる子もいるじゃないの。船に帰ったら医者がいるから
診て貰いなさい。いい?どんなことをしても生き抜いてみせると言う心意気は買うわ。でもね、生き抜くには知恵や力が
必要よ。一人ではどうにもならなくても、みんなで力を
合わせれば、どうにかなることだってあるのよ。ここにいる
お兄さんたちが、あんたたちが毎日食べていくに困らないくらいのことは教えてくれるから、おとなしくついてらっしゃい」
「ホントか?」
「大体、何であたしなのよ。サンジくん捕まえたんなら、そのままサンジくんを海軍に引き渡せば良かったじゃないの!」
「だってあいつには賞金がかかってないじゃないか」
「馬鹿ね、7700万ベリーの黒足のサンジよ?」
「ええ?あのお兄ちゃんが?だって手配書と全然似てないよ。手配書の黒足のサンジはもっと不細工だもん」
ぶっ、と噴出すフランキーとウソップの声がした。
あいつら、後で見てろよ、とサンジは心の中で嘯くが、まずは現状を何とかしなければならない。
ナミにこんなカッコの悪いところを見られるわけには行かないのだ。
が、手錠は硬く、簡単に外れそうにない。
身体を捩って揺らせば、手錠を吊るしてあるであろう鎖がガシャガシャと音を立てた。
「あら。ナミちゃん。もう帰るの?肝心の人質を解放してあげないと・・・」
ロビンの笑いを含んだ声がする。
「そればゾロにまかせるわ」
その言葉で、そこにゾロがいることをサンジは知った。
「・・・そのためについて来たんでしょうし。サンジくんにもその方がいい薬よ」
ナミの言葉は容赦がない。
確かに今回のことは自分の落ち度だし、ナミに怒られるくらいなら、いつ間でも怒られていたいくらいだが。
そうは問屋が卸してくれないらしい。
そこにいるであろう男の雰囲気にサンジは、畜生、と思う。
「ホラ、みんな行くわよ!」
ガヤガヤとした気配が次第に遠ざかっていく。
そして残ったのは恐ろしく不機嫌に満ちた男の気配。
ち、とサンジは心の中で舌打ちをした。
ゾロは珍しく溢れ出る不機嫌さを隠そうともしないで近づいて来た。
ガチャリ、とドアの開く音がする。
吊るされたサンジの姿をゾロは眉一つ動かさずに見ていた。
「いいザマじゃねェか、ぐるぐる」
ゾロは唇の端を上げて哂った。
「るせェ。何しにきやがった水生植物」
「ガキなんかにコマされやがって。油断してっからだ」
「るせェつってんだろ。帰れ、帰れ、帰れ!」
サンジは両手を拘束されたままの姿で地団駄を踏んで勢い任せに喚いた。
ゾロがゆっくりとサンジの周りを歩くのをサンジはその耳で感じ取っていた。
舐めるような視線を感じる。
「なかなかソソるぜ、てめェ」
ゾロの楽しむような、それでいて底冷えするような声が響いた。
「ふざけたこと言ってんじゃねェ。さっさと帰りやがれ。オレはテメェなんぞに助けて貰わなくても自分でこんなとこ抜け出せらぁ!」
その時。ゾロがまた、ニヤリ、と哂った気配がした。
そしてゾロが真正面に立つ気配がする。
次の瞬間。
ひやり、とサンジは頬に冷たい感触を感じた。
ゾロが和道一文字の刀身をぴたりとサンジの頬に当てていた。
「助けに来てやったって言うのに、でかい口利くじゃねェかよ」
「誰が、助けてくれと、頼んだ!さっさ帰りやがれ!」
サンジは閉ざされた布越しにゾロを睨みつけた。
ゾロにはそれが判ったのだろう。
ゆっくりとゾロがその刀身を下に下ろしていく。
頬から顎、首筋へと。
視界がない分、それは得体の知れない感触となってサンジの身体の奥をぞくりとさせた。
恐怖からではない。
もっと何か別の・・・
ゾロはサンジの喉仏の辺りで刀身をくるりと返しその切先を当てる。
いや、切先は当たってはいない。
だがその切先からゾロの気が突き刺すようにサンジの肌に突きつけられ、サンジの動きを封じた。
ゾロがほんの少しその手を前へ動かすだけで、その刃はサンジの喉を貫くだろう。
だがそれはサンジには恐怖の一欠片さえなかった。
ゾロがそんなことをする筈がないと言う絶対の信頼と、大事な愛刀をそんなことに使う筈がないと言う確信。
怯みもしない、脅えもしないサンジの様子にゾロが若干いらだったような声で言った。
「てめェ、俺の何が気に入らねェ」
「何が、だと?」
サンジがせせ哂うように言った。
「何もかもに決まってるじゃねェか。土台、オレとテメェはそう言う関係だろうがよ」
嘯くサンジに、
「ほう」
ゾロはまた片方の口角を上げてニヤリと笑った。
その気配にサンジはまた、ぞくり、とするものを感じる。
刃先を突きつけられてもドキリともしなかった心臓が大きく鳴る。
ゾロが何かをしようとしているのは判るのに、何をしようとしているのか全く読めない。
そして。
ゾロはゆっくりとその切先を下へと下ろしていくとサンジのシャツのボタンに切先を引っ掛けて・・・・。
ぷつん。
サンジの耳にボタンがころころと床に転がる音が聞こえた。
「な・・・!」
言葉をなくしたサンジにゾロはぷつん、ぷつん、とボタンを斬り落してゆく。
「てめェ・・・、何しやがる・・・」
「そう言や、てめェ俺のセックスに飽きたって言ってやがったからよ。たまにはこう言うのもいいかと思ってよ?」
ゾロはあくまでも楽しそうな声がした。
「ば・・・・」
サンジはゾロが何をしようとしているのか気がついて、身体を揺らして暴れた。
「暴れんな」
ゾロの押し殺した冷たい声が響いた。
「手元が狂って、何が起こるか判らねェぞ」
切先がベルトに掛かった。
ブツン、と音がしてベルトとボトムのボタンが外される。
そのまま切先でボトムのジッパーを下げられた。
「よせ、ゾロ!」
ゾロは刀身を鞘に収めるとゆっくりとサンジの前に立った。
そしてその首筋に唇を落とす。
思わぬ感触にサンジの身体がびくりと震えた。
「いい反応じゃねェかよ」
ゾロのからかうような声に罵声を浴びせようとして出来ず、サンジは唇を噛み締めた。
ゾロが首筋から耳の裏をベロリと舐めあげたからだ。
ゾロが判っているのか含み笑いをサンジの耳元に残したまま、いきなりサンジの胸の尖りを摘み上げた。
「あうっ」
ついにサンジが声を上げる。
「なあ、いつもより、感じてんだろ?」
サンジは首を横に振るが、震えてくる身体を必死で抑えているのがゾロには判る。
「こうやって視界を閉じられるとよ・・・」
ゾロの息がサンジの首筋を這い、鎖骨の窪みを舐める。
「次に何をされるか判らねェ期待がよ」
ゾロの手がサンジの背中を愛撫する。
肩甲骨を辿り、ねっとりとした感触を伴わせて背中を降りてくる。
「余計にてめェを感じさせてんだよ」
「ああっ」
乳首を噛み付かれて、サンジは仰け反った。
そう。最初からサンジが感じていたのは、ゾロから感じる淫靡な気配だった。
サンジの身体はまぎれもなく最初からそれに反応していた。
「ほら、な」
ゾロが後ろからサンジの下着の中に手を入れて、もう濡れ初めているソコを握った。
「ゾロ・・・やめ・・・」
「違うだろ。・・・もっと、って言ってみろ」
言われてサンジは激しく左右に首を振った。
ゾロの手が焦らすようにサンジの前をこする。
サンジの足が震えて、サンジは両手の手錠を吊るす鎖を両手で掴んだ。
ガシャリと鎖が鳴る。
「知ってるか?こうして前をさすってやるとな、てめェの後ろが緩んでくんだぜ」
言うなり、ゾロはサンジの後ろの秘部に指を突き立てた。
「ああああああ」
サンジの悲鳴が室内に響く。
前と後ろを同時に愛撫されて、サンジの身体が享楽に堕ち始める。
快楽に身を落としていくサンジの姿を楽しげに見守りながら、ゾロは囁いた。
「イっちまえ」
サンジが声を上げて達した。
ゾロはイッて戻って来るまでのサンジを食い入るように見ながら、目隠しが邪魔だな、と思った。
サンジの快楽に溶けた時の目がみたい、と思った。
乱雑に目隠しを取り払うと、そのまま前に回り、下着を取り去ってサンジの両足を持ち上げる。
ボトムをずり下ろすと何か言いかけたサンジを黙らせるように、一気に突き上げた。
サンジが嬌声をあげ背を仰け反らせて身体を硬直させる。
ガンガンと奥を突けば、半開きになった唇から絶え間なく喘ぎ声が漏れ始める。
シャツしか羽織っていないしどけない姿で鎖に拘束されたまま喘ぐサンジは背徳的な淫らさでゾロを煽る。
狂乱に満ちた快楽。
快楽で縛り付けることが出来るなら、どんなことでもするだろう。
「頼む、ゾロ。やめてくれ」
懇願するようなサンジの声が響いた。
「何言ってやがる。てめェ、こんな身体しやがって・・・俺と別れて他の誰とこんなことしようってんだ」
苦々しげにゾロが呟けば、サンジが潤んだ目でゾロを見下ろした。
「別れるも何も、オレとテメェはそんな関係じゃ、ねェだろう・・・が」
ゾロがちっ、と舌打ちをしてガツンとサンジの奥をついた。
「あうんっ」とサンジが声を上げて鎖にしがみつく。
「だって、ゾロ。オレがテメェをこんな関係に誘って、堕として、もうこんな・・・」
「阿呆」
ゾロは強く腰を打ち付けて、サンジの奥を蹂躙した。
「・・・何で、判らねェ。俺はてめェに惚れてんだ。最初っからな」
サンジの目が大きく見開かれる。
「だがてめェはいつまでたっても気づきやしねェ。挙句にもう終わりだと?ざけてんじやねェぞ」
「あ、あ、あ、あ」
最奥を貫かれながらサンジが鎖をガシャガシャと振った。
「ゾロ。・・・ゾロ、これ外してくれ」
ゾロは言われるままに繋がれた手錠を手で引き千切る。
手錠の間に通されていた鎖が外れて、サンジは自由になった両手をゾロの首に回した。
「ゾロ」
サンジがゾロの唇に口づけを落とす。
そのまま舌を絡めてお互いの息を貪り合いながら、ゾロはサンジの一番悦ぶ場所を穿ってやる。
際限なく官能に身を委ねるサンジの様は壮絶なほど艶めかしく、濃艶な色香を放つ。
だがいつもと違うのは・・・。
「ゾロ・・・ゾロ・・・ゾロ・・・」
サンジは何度もその名を呼んでゾロに抱きついてきた。
茫洋と快楽の海を漂いながら、それでもうわ言のようにゾロの名を呼ぶ。
潤んだ瞳が妖艶さを漂わせながら、何度も、何度も。
ゾロの心に染み入るように。
「・・・そんなに呼ぶな」
ゾロは思わず言った。
「何で?」
サンジが潤んだ目で微笑った。
「抱きつぶしちまいそうだ」
するとサンジはさらに微笑った。
「望むところだ、クソマリモ」
ずっと、こんなふうに抱き合いたいと願っていたのだ。
叶うなら、抱き殺されてもいいとさえ、サンジは思う。
サンジがゾロの腰に足を絡めて積極的にゾロに腰を押し付ける。
その嬌態にゾロの動きが激しくなり、サンジが髪を振り乱して身悶える。
唇を重ね合いながら寸分の隙間もない程に抱き合えば、いつもより激しくサンジは感じて、二人の身体の間で揺れる前から
ポタポタと雫をこぼし始める。
「いい。ゾロ・・・いいっ」
サンジの奥がゾロに絡みつき、ねだり、まといつく。
サンジの身体を強く揺すり上げれば、サンジは声を上げて啼いた。
「ゾロ・・・もっと。・・・もっと!」
身悶え、散らばるように、解けるようにサンジの身体が官能を享受するのと同時にゾロは熱く熟していくサンジの裡側に理性の
すべてを剥ぎ取られて獣になった。
そして、お互いが同時に絶頂を極めた瞬間。
「・・・・・ッ」
ゾロはそれまで許されなかった、その名をその耳に囁いた。
二人荒く息をつきながらもサンジはゾロを放さない。どこかを彷徨うその間にさえ、ゾロの口づけ素直に受け入れる。
やがてサンジの呼吸がだんだん落ち着いて来て、その目がゾロを捕らえた。
「ゾロ」
その唇がゾロの名を呼んで、二人はまたキスを交わす。
そして一度では足りずに腰を動かし始めたゾロに合わせてサンジが腰を揺らめかせる。
そして二人は何度も名を呼び合い、何度も抱き合った。
「テメェは、一体どうしてくれるんだ!」
どうやらコトが終わった後のサンジのつれなさは思いが通じ合った後でもあまり変わらないらしい。
「オレの服をボロボロにしやがって、どうやって船まで帰れってんだ!」
「あー」
考えるのも面倒くさく、ゾロは壁に凭れて怒り狂う恋人をぼんやり見てる。
まあ確かにサンジの服はシャツは全部ボタンがはじけ飛んでいるし、ボトムはかろうじてジッパーが上がるもののベルトごと
ボタンを切ってしまったから、何と言うか前が開いていてだらしがない。
「まあ、着れねェわけじゃねェんだし、いいんじゃねェか?」
「アホか、テメェは!!テメェじゃあるまいし、このおしゃれなオレ様がこんな格好で街を歩けるかぁ!」
不毛な言い争いをしていると、二人がいる廃屋の部屋のドアがコンコンとノックされた。
「ああ?誰だ?」
「テメェが出ろ」
ゾロが渋々ドアを開けると、サンジを拉致した少女が立っていた。
「・・・何だ、てめェ」
「あのね、オレンジの髪のお姉ちゃんがね、オニーサンたちがそろそろ仲直りしている頃だから、これ持っていってあげてって・・・」
少女がおずおずと差し出したのはサンジの洋服一式だった。
さすがナミ。ゾロに貸しを作るためならば(借金を上げるためならば)、これくらいはお手のものなのである。
が。
それを知ったサンジがさらに怒り狂い、それから数日本気でゾロお預けを食らわし、いい加減欲求不満ではちきれそうになった
ゾロが、サンジのいる浴室に乱入して、コトに及んだとか及ばなかったか、とか言うのは、まあ、余計な後日談である。
END
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